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《西有年産廃》公文書公開請求後に知事発言録を破棄

 2020年01月11日 
県が破棄する前に撮影された「知事協議記録」
 西有年産廃処分場建設計画をめぐり、「『懸念が払しょくされたから心配ない』というような形にもっていけるかどうかだ」などと許可権者の井戸敏三・兵庫県知事が述べた発言録の公文書を、県が市民団体からの公文書公開請求後に破棄して差し替えていたことがわかった。赤穂民報は文書が破棄される前に撮影された発言録の画像を入手した。【記事の下に画像から判読できた全文を掲載】

 発言録は昨年7月4日に県庁の知事室で行われた県幹部らによる「知事協議」の内容を記録したもので、A4判で9ページの文量とみられる。県によると、協議に同席していた吉村陽・環境参事が「その場でメモを取り、後で活字化した」といい、「知事協議記録」の件名で関係部署に配布した。しかし後日、吉村参事がA4判2枚にまとめたものに更新。元の発言録は「すべての部署で差し替え時に破棄された」(西播磨県民局環境課)という。

 本紙が入手した発言録画像を見ると、協議中の会話を再現した「主なやりとり」が大半を占めている。ピントが合っていない4ページ目と5ページ目を除き、ほぼ判読できる。

 それによると、井戸知事は同計画に関し、災害で遮水シートが破損した場合への対策、景観悪化への対応、予定地に含まれる保安林の解除、国道2号から処分場へのアクセス道路などについて言及。「やはり一番問題なのは水質だ。止水壁を作るのは大変だ。やはり高砂のPCBの防護壁だ」「見えないようにしたらいい。木を植えて。要は視界の中に入らないようにしたらいい」「正々堂々と保安林(解除)をやっていけばいい」「道路と並行してもう1車線作るか」などと、本来は事業者が考えるべき計画案に踏み込んだ発言がみられる。

 また、別の事業者が福浦地区で進める産廃処分場建設計画に話題が及ぶと、「本当は福浦の方がいいんじゃないかと思っている」と発言。環境整備課長が「場所的には一番いい」と応じると、「あれは採石場後だろ?岩盤だし」(原文ママ)と述べている。

 一方、環境部長が「これだけのことをやりなさいと言って、事業者からやりますというこたえを引き出しながら、進めていく」と語ったのを受け、井戸知事が「引き出さなくてもよい。やれなかったら終わりだから」と突き放す場面も。また、「(事業者側が予定地周辺に)2〜3倍の土地を手に入れているので、20年後か30年後か分からないがまた拡張するかもしれない」(西播磨県民局長)との見方がある中で現計画の埋立処分面積が環境アセスメント制度の対象(15ヘクタール以上)よりも小さい規模で事前協議書に記載されている点を踏まえ、「ますますずるいじゃない。13haなんて」と事業者に批判的な発言もみられる。

 「知事協議記録」をめぐっては、昨年7月17日、姫路土木事務所が保管しているのを市民団体が突き止めた。その場で公文書公開請求の手続きをとったが、文書の件名を特定できなかったこともあって公開されなかった。翌月21日に件名を特定して再請求したところ、「要点のごく一部を抜き書きしただけの簡単なもの」(市民団体)が公開されたという。

 県は赤穂民報の取材に、「発言録は、市民団体が確認した時点では存在していたが、不正確な情報や推測が含まれており記述内容が正確でなかったので、正式なものに更新した。2度目の公文書公開請求がなされた時点では、すでに正式な『知事協議結果の記録』に更新されていた」と説明。更新した時期については、「7月末ごろだったと思う」(環境課)とし、更新前の文書データは「パソコンで上書き修正したため残っていない」(吉村参事)と話した。

 「不正確な情報や推測」を含んでいたにも関わらず、発言録を「知事協議記録」として関係部署に配布した理由について、出席者の一人でもある遠藤英二・西播磨県民局長は、「今後の対応の方向性を速やかに関係者で情報共有すべきとして配布した。今回は精度よりも迅速性を優先させた」と回答。「事務手続きを迅速にやっていくためには必要だった」と話した。 

 「知事協議記録」の存在を公表した「播磨自然高原地区連合自治会」と「赤穂の環境を守る会」は、「表向きは『公正・公平』をうたいながら裏では住民の権利を無視し、知事を中心に産廃処分場計画に肩入れしており、県民への重大な裏切り行為だ」と批判。県が文書を破棄して差し替えたことについては、「県民に知られてはまずいことを隠ぺい・改ざんしたもので、公務員による犯罪だ」と強く非難している。

 * * *

「知事協議記録」の撮影画像から判読できた内容

知事協議記録

1.日時
 令和元(2019)年7月4日(木)15時58分〜16時37分

2.入室者
 金澤副知事、田中環境部長、石岡環境整備課長
 西播磨県民局:遠藤局長、環境参事吉村 記

3.内容
(1)要点
〇紛争予防条例に関する市町への意見照会を予定通り実施
〇関係住民の範囲は市町の意見をよく聴いた上で判断。広げる場合には何らかの基準が必要
〇課題とその対応案を整理して県民局の専門家会議に諮る。
〇水質が悪化しないことの論証と赤穂市長の市民への説明の仕方が最重要

(2)主なやりとり
知 事:牟礼市長は公約だから絶対だめ。作ったらやめないといけない。

部 長:赤穂市は反対するために専門家会議を作っている。

局 長:県民局からは「条例の手続きで合理的な理由を述べないと蹴られますよ」という話をしている。

知 事:大栄環境だから悪いことはしないだろうけど。

部 長:今のところ決定的に悪い材料が見当たらないという感じが正しいところ。

副知事:地元の長岡県議も反対している。



局 長:規模が13ha、300万立米と三木の半分弱ぐらいの大きさ。三木は24ha、800万立米。

知 事:まあそんなに大きな話ではない。規模としては。

知 事:推進するなら科学的に水質が絶対悪化しないということをどうやって論証するかだ。「牟礼市長が反対と言っていたのは懸念があったからだが、懸念が払しょくされたから心配ない。」というような形にもっていけるかどうかだ。

局 長:遮水シートの下に色々なセンサーを置いてリアルタイムに測るようなことも求めていくということもできるのかなと思っている。法令のマストではなくオプションになるが。

部 長:県民局が設置した専門家会議の中でそのあたりを十分詰めていく。

知 事:県民局が設置する?

局 長:福浦の時に設置している。

知 事:福浦は設置してまだ結論が出ていない。

局 長:福浦は、住民の意見を事業者に返して、それに対する回答をきっちり返してこいと事業者に言って、相手が握ったまま2年ほどたつ。

知 事:本当は福浦の方がいいんじゃないかと思っている。

課 長:場所的には一番いい。

知 事:あれは採石場後だろ?岩盤だし。

局 長:津波のおそれがなくはないが。

課 長:ただ底盤がかなり悪いので、底盤工事をかなりしないといけない。

知 事:あーそう。ふーん。



局 長:専門家会議の話だが、今回は山の木を切るので、自然環境保全という見地で、生態系や住民合意の専門家の追加を検討してもいいかと考えている。

知 事:うん。

局 長:手続き上は、事業者から大体こういう事業をやりたいという事前協議書が、1年間で200カ所以上の修正を経て、ようやく事業者のやりたいことが書類として整った。その善し悪しの指摘は専門家の意見を聴きながらやっていくが、まずは、赤穂市と上郡町に生活環境の意見や住民への周知範囲をどこまでするかの意見照会をする。その際、赤穂市と上郡町の両方とも専門家会議を設けると言っているので、そこで中身を揉むので、おそらく半年から1年は少なくともかかるという読みはある。

局 長:われわれとしては、住民の周知範囲は、今までは処分場の所属する自治会、あるいは直下の水利権者と、結構限定的にやってきた。高砂の場合は、プラス周辺を任意で広げるということもあった。

課 長:高砂は市の条例で変えた。

局 長:赤穂で27,000人、上郡で1万人の反対署名も出ている。

知 事:上郡もそんなに出ている?

局 長:地元の自治会は賛成で早く進めてくれと、判子を押してわれわれや副知事のところにも1回来た。三木の処分場を見学してしっかり対応してくれることが分かったので、地域活性化のために、雇用も10人、20人できるので作ってくれと言っている。

知 事:こんなんで地域活性化になるかな?よく分からんなあ。

課 長:三木の方は、放棄された農地を大栄が借りて農園をやり始めている。大栄自体がたい肥化施設を持っているので、その肥料を農園に撒いて。地域活性化というのはそういう意味だと思う。

知 事:そうか、それはひとつの有力な代替手段だな。

局 長:あとは、親子三代にわたって従業員で大栄にお世話になっているという方もいる。

知 事:あーそう。

局 長:われわれとしては、周知範囲を今まで以上に広げる方向で検討させていただき、より丁寧に説明していきたい。

知 事:広げるにしても何か基準がいる。どこまで広げるか。

部 長:全域でやるのもありかと思っている。

副知事:でも赤穂はどちらにしてもずいぶん下流にある。直下ではない。

局 長:埋め立てる所は西有年という赤穂の山で、人口の多い所ではない。

副知事:西有年以外の反対派の人がずっと下流まで広げることを言っている。

局 長:これは私の個人的な意見だが、処分場に対して出て来る意見は、数が増えてもある程度類型化して要約できる。範囲を広げて大変なのは事業者で手間は確かにある。集約するわれわれの手間はあるが、大体問題となる点は収束されるので、今回は思い切って広め、最大で赤穂市あるいは上郡町全域でやるのもありかと思う。

知 事:全域でやる?

局 長:今回住民の数でいうと47,000人のうち27,000人が署名している。

知 事:赤穂は47,000人のうち27,000人が署名しているということは、子供と寝たきりを除いたら、みんな入っているということ。

局 長:上郡は15,000、16,000のうちの1万なので3分の2。ただ地元の2自治会はがっちり推進で、町議会議員も1人是非推進してくれと言っている。

知 事:2自治会?

局 長:ポンチ絵〈編集部注1〉の梨ケ原、落地がその自治会。上の点線の別荘地の播磨高原は120世帯ぐらいで、都会から移り住んでこられた人でかなり反対している。1〜1・5km位の範囲に入るので、「われわれも条例手続きの関係住民になり得るはずだ」と言っている。

知 事:別荘地の地価が下がるのか?

局 長:別荘地の人はそう言っている。

知 事:別荘地から見えるのか?

課 長:別荘地の一番上から見ると、処分場が完成したら見えるという感じ。

局 長:県境から山がおりてきており、両方とも高い位置にある。

知 事:見えないようにしたらいい。木を植えて。要は視界の中に入らないようにしたらいい。

局 長:それはあると思う。

知 事:太陽光パネルが山の中腹にあると団地から見えたら反対と言われているのと同じ。カバーをして見えないようにしたらいい。



知 事:どこまで説明会をしていくのかは、市と町の意見を聴いていかないといけない。

局 長:はい。今聞いているのは、千種川の下流域で取水ポイントが数か所あって、その水を赤穂全域で飲んでおり、相生にも送水している。さらに家島にも海底パイプで送っており、そこからも反対署名がある。あと、条例上の周知範囲は相生と家島まで広げるべきというのが赤穂市長の意見。

知 事:相生と家島は変じゃないか。

  (写真画像が不鮮明なため2ページ分判読できず)

局 長:受入基準をしっかり作ってもらって、定期的に抽出で分析表などもオープンにさせるということもあると思う。

知 事:だけどあんまりこっちが言ってしまうと、事業者がそれを全部満たして来たら、言ったこちらの方が推進派に変わらないといけない。それは厄介だ。



局 長:一つは周知をしっかりやるのと、あとは、進入路が国道2号線沿いなので大体保安林がかかっており、保安林を解除して事業をするとしているが、もうちょっと遠回りすれば保安林を避けるルートがあるので、もっと考えろと。これは安易に妥協はしないでおこうかなと思っている。

知 事:あ、そう。保安林を避けてアプローチできるのか?

局 長:それがなかなか土地を売ってくれないとか、JRが協力してくれないとか、何ルートかは考えているようである。

知 事:備前市の廃棄物処分場から行けるのでは?

局 長:それは備前市がうんとは言わないとのこと。

知 事:言ってくれないの?

局 長:地元との約束があると聞いている。話し合いで限られたものしか通さない。

知 事:ああ、そうか。それでは正々堂々と保安林(解除)をやっていけばいい。

局 長:今は、他のルートがあるからそっちで検討せよと、解除が必要なルートについては簡単にうんとは言わないように考えている。



知 事:大栄はまだやる気なの?

部 長:時間をかけても1カ所は必要だと思っている。

知 事:上郡よりも赤穂市内だから、赤穂市が反対だったら困ってしまう。

部 長:県民局としては住民の反対がある限りは強めの反対の姿勢を持っておかないと地域的にはもたない。

局 長:山間部の西有年という自治会は反対とは言っているが、大栄環境の立場で言うと、ここは歴史的に梨ケ原が関与してきた土地なので、地元の了解という意味では、梨ケ原の了解が得られていればよいと。われわれは地元が反対しているのであれば無理やり作ることはしない。ただ「地元」の意味は西有年ではなく梨ケ原であると。ため池を実際に管理してきたのは梨ケ原。

知 事:あ、そう。

課 長:地区としては西有年だが、この周りに家自体がない。一番近い所でも上郡から1キロ位離れた所にしか家はない。

知 事:赤穂が上郡に割譲したらいいのでは。

局 長:大栄は管理事務所的なものを上郡側に作る配慮をしている。

知 事:アプローチがないからね。アプローチは2号線が1番だから。そうなると上郡からしか行くところがない。

局 長:アクセス道路も、トンネルを抜けて大型車がビュンビュンとばす所なので、右折待ちでいると追突の危険とか、急に左折できるのかということもある。このあたりのことも道路管理者ともっと協議するよう指摘したい。

知 事:どちらから運んでくる?

局 長:基本は兵庫側から岡山側に向けて左折で入る。岡山から来た場合はどこかでUターンしてアクセスすることになる。

知 事:これもどうするか。道路と並行してもう1車線作るか。右折レーンはよく作るけど、左折レーンみたいなものを作るか。バス停みたいに切り込んで。山だから所有者はすぐに売るのではないか。2号線沿線だけど、ここはどうせ調整区域だろう?

局 長:はい。

知 事:だから使い物にならない。保安林か?

局 長:はい。

知 事:保安林は危険防止のためだから、(保安林を解除してルートを通しても、)保安林区域を増やせばいい。



知 事:地元が問題にしているのは最終的に水質でしょ?

局 長:はい、災害時を含めての水質。

知 事:災害で防水シートが破れても流れ出ないようにすればいい。

局 長:下手側の調整池をしっかり準備する方法がある。

知 事:高砂のPCB〈編集部注2〉みたいに防水杭を打つとか。これはお金がかかる。

課 長:埋立処分場自体は100万立米入ってようやく元が取れる位の投資をしなければいけない。小さいものは儲からない。

知 事:300万立米では?

課 長:ちょっと儲かるぐらいかも。

局 長:土地については2〜3倍の土地を手に入れているので、20年後か30年後か分からないがまた拡張するかもしれない。

知 事:ますますずるいじゃない、13haなんて。〈編集部注3〉

局 長:事業者は口には出さないが可能性はあるのかなと思う。



知 事:2号線だと赤穂インターで降りて来る?

局 長:赤穂インターだと遠回りになるので、地道になるかと思う。

知 事:そこも問題。1日何台通る?

課 長:三木で300台程度。大栄は全部自分のグループでないと運送しないので、運送管理は簡単にできると思う。

知 事:しっかりしてるんだな。

課 長:はい。曲がり角には保安員をつけて右左折対応をずっとしている。

知 事:2号線だから車の量が違うな。信号はつけられないだろう。出ていくときは困る。右折で出ていくとき。

参 事:今の計画では左折で出ていく。

知 事:どこでUターンする?

参 事:そこまでは決まっていないが、出入りは左折で入って左折で出る形。

知 事:岡山側に入ったら別の道があるのか?そういうことも調べておかないと。一度そういう課題要素をかきあげて、それに対してどういう対応があり得るのか。それを踏まえて専門家会議を開いて専門家にそれを議論してもらって中間報告的なものの中で、アセスをするようにとか、この課題にはこういう風に対応せよとか、100年に1回の確率でないといけないとか、いざというときに流出が困るのであればどういう風に対応するとか指摘してもらう。専門家会議の前にそれなりにこちらでシミュレーションしておいて、それから専門家会議を開くのがいい。

部 長:課題整理したものを作成しており、ダイジェスト版を本日の資料に掲載している。

知 事:地すべりとか地盤沈下のおそれがある?地すべりとかが過去に起こったことがある?

課 長:過去にはない。赤穂は地盤が比較的安定している。

知 事:希少動植物は出てこない?

部 長:出てこないような話を聞いている。

知 事:廃掃法以上の維持管理基準とは?

局 長:水質チェックのデータを法律上は1年に1度測定して公表するが、それをリアルタイムに近い形で公表させることを想定している。

知 事:伊丹の航空機騒音のように、常時見られるようにしてあげたらいい。

課 長:CODぐらいか。

知 事:それぐらいはできるよな。

知 事:不適切な廃棄物が埋め立てられることはない。マニフェストがあるし、さらに抜き取り検査をするなど、いくらでも対応できる。やはり一番問題なのは水質だ。止水壁を作るのは大変だ。やはり高砂のPCBの防護壁だ。

課 長:今は一番下に敷く遮水シートが破れても修復できるものがある。



部 長:これだけのことをやりなさいと事業者に言って、事業者からやりますというこたえを引き出しながら、進めていく。

知 事:引き出さなくてもよい。やれなかったら終わりだから。ただ住民がこれで納得するかどうか。最終的に専門家会議から答申を出してもらうときに、答申を守れば住民はテーブルにつくという目処をつけないと、答申をもらえない。

部 長:県民局からは「これだけやればいい」という言い方もできない。



知 事:それから牟礼市長だ。市長は聞く耳を持たないと思う。

局 長:反対のための反対では手続きが進んでしまうことは理解してもらっている。そう意味で、市長は、専門家に意見を聴いて合理的な意見を返していかないといけないと言っている。だから少し時間が欲しいということを聞いている。

知 事:あーそう。では専門家が合理的な意見を言ってくれれば市長は従うということ?

局 長:そこまでは言っていない。上郡町は、作る場合は世界一のみんなが見に来るような安全な処分場を作ってくれと。

知 事:こんなものは大した話ではないから、世界中から見に来るようなことはない。中間処理施設なら見に来ると思うけど。



局 長:今回市町の方も委員会を立ち上げて早く検討したいとのことなので、市町への意見照会をさせてほしい。周知範囲は市町から意見をもらった上で協議させてもらいたい。

知 事:意見照会を一番最初に出す?

局 長:条例の一連の手続きでは、事前協議書ができた段階でまず市町に意見照会をかける。市町が住民の意見を踏まえて(1)〜(4)の意見を返してくる。〈編集部注4〉 それを踏まえて大きな方向で事業計画を修正させた上で条例の手続きに入っていく。

知 事:照会に入ると、県は計画を進めようとしているように見える?

部 長:様子を見ながら進めて行かざるを得ない。

知 事:いずれにしても放っておけないから協議書が出てきている。

局 長:1年前に受理している。

知 事:「ダメならダメと言うためにも手続きはせざるを得ないので照会した」と説明するんだな。

部 長:専門家会議のところで思いっきりねばるというか時間を使うのかなと思う。

局 長:いろいろな計算も土木の部署に手伝ってもらって精査したりする。

知 事:ため池は大丈夫?ため池は頑丈なの?安全なの?

局 長:チェックしておく。



知 事:まあ牟礼市長だな。当選したからな。明石前市長も反対だった?

局 長:はい。
                       以上

《編集部注》
 (1)予定地周辺地図の略図を指すとみられる。
 (2)昭和40年代後半に底質土砂からPCBが検出され、周辺にPCBが溶出しないようにセメントによる固化処理後に造成工事を行った高砂西港の盛立地対策を指すものとみられる。
 (3)兵庫県の「環境影響評価に関する条例」で、産業廃棄物最終処分場における環境アセスメント制度の対象事業が「埋立処分面積15ヘクタール以上」と定められていることを踏まえたものとみられる。
 (4)知事協議の参加者に配られた資料を踏まえた説明とみられる。
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関連サイト:
【関連記事】「『心配ない』ともっていけるか」知事発言


掲載紙面(PDF):
2020年1月11日号(2355号) 1面 (7,617,693byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)


コメント

将に「官業ぐるみ」ですね。IR(統合型リゾート)の収賄に絡んだ問題と一緒ではないのかしら?
県と業者との馴れ合いの中で関係のある幹部主導で進めようとしているのでしょうが、その下で働いている部下の人たちが一般市民から同じような目で見られたら、たまったものではありません。

0  0

投稿:行政マン 2020年01月16日

赤穂をゴミダメにするきか??
山に囲まれて、海があって清流千種川、こんな環境の良い所、他に有りますか??
県知事さんも、赤穂の風光明媚な事解っているのでしょうか??
そんな事より、赤穂相生間の鷹取峠のトンネル化の方が重要ではないですかね

0  0

投稿:野球親父 2020年01月14日

中立ってなんだろう?行政が市民に聞かれて答えに窮したとき、必ず言う言葉。市民の疑問にたいする殺し文句。「法に基づいて中立」とか言っている。さっぱり分かんなーい。「地方公務員法等」のどこにかいてある?
そんなこと言って、市民県民国民の税金で仕事している公務員は、公僕と言って市民県民国民の利益を守らないといけないのに、それに背を向けるのだったら、そんな公務員は、給料泥棒だ。すぐ公務員を辞めてほしいなあ。知事も我々の税金で仕事をしているのですよ。

0  0

投稿:でた。 2020年01月12日

県は、元々中立でしょ。そんな中で結構地元のことも考えてくれてんじやないですか。

0  0

投稿:これから次第 2020年01月12日

「文書の件名を特定できなかったこともあって公開されなかった」とあるが、公文書公開請求では県は公文書の特定に必要な情報を提供することになってなかったか?

0  0

投稿:県民2 2020年01月11日

発言録のどの部分が不正確な情報や推測なのか知りたい。

0  0

投稿:おっさん 2020年01月11日

ま、こんなとこだろうと思ってたよ。

0  0

投稿:県民 2020年01月11日

国政からして、まっとうではない、「桜を見る会」のように都合の悪いことは出さない、公文書さえも改ざん隠蔽虚偽工作される世の中になってしまった。最近は都合の悪いことにならない様に議事録さえも作成しないことがあるようだ。しかし、現場の担当者はまじめであり、しっかり「記録」はとっているようで、個々のPCファイル、昔で言えば「黒革の手帳」が存在しているのが救いでもある。
ところで、なぜ産廃処分場が嫌われるのか、その理由を調べ、考察したのでコメントさせていただきます。
以前にも、寄稿したが、その「量と質」、計画では西有年産廃は約300万立方メートル、福浦産廃は約200万立方メートルと尋常でない処分量であり、どちらも20年以上かけて埋立積上げられる、ちなみに赤穂市の一般廃棄物由来の埋立量は年間約0.12万トンであり、2000〜3000倍の産廃が処分されることになる。その中味は、福浦では「燃え殻」と「ばいじん」の二品目であり、有害物質のダイオキシンと重金属が高濃度で含有されている。西有年では、さらに「がれき類、廃プラ類、汚泥、鉱さい」等、13品目がある。県民局指導後の「事業計画事前協議書」には「水銀含有ばいじん、石綿含有産廃を含む」なども付記されている。
昨年の夏に県民局との対話集会に参加した時、遠藤県民局長は「安全・安心・基準内」であれば粛々と許認可手続きを進めて行く、今回の知事発言では「大栄環境だから悪いことはしないだろうけど。」があり、すでに買収されている西有年「論気上池周辺」の住民は反対の声も出せない状況に追い込まれているように感じた。
じつは「安全・安心・基準内」であるが、その根拠は不明瞭であり、専門的であるが、基準値は相当厳しい値でであるが、評価する方法「溶出試験」が諸外国と比べ相当遜色があり、「短時間で再現性はあるが、実際の埋立地の状況と関連づけるのが困難であり、pH変動に弱く長期的な影響は不明で、重金属の溶出を低く評価する場合がある」と報告されている。結局、有害物の含有量ではなく、溶出量のみ評価している。野外で土をかぶせ、植林した状態で数十年以上永久保存されている状態では、有害物は無害な土に帰る保証はない。
酸性雨や極端な気象災害などにより、流出、粉塵飛散、木くず紙くずなどもあるので化学変化により溶出しやすくなり、土壌はもとより、大気・水質の環境汚染、健康障害などのリスクは高まる一方である。
すでに稼働している「高野産廃」では許可以外の産廃が処理され、展開検査等合格発表されているが、昨年の「赤穂市議会だより」を見るとブルーシートで覆われた写真があり、産廃処分について設備管理や運営等が守られる保証が確認できない。市民、町民の皆様のご意見、感想をお願いします。以上

0  0

投稿:テンユウ 2020年01月11日

赤穂市の三方の山を産廃業者が狙っているのは、20年前から分かっていた事。赤穂市は業者に遠慮し進出をある意味容認した経緯がある。
赤穂をゴミ箱にしたいなら、いっそ鹿児島県の公共関与型の「エコパークかごしま」のような大規模産廃施設を建設すると県当局に言い返す元気位見せて欲しいな??

0  0

投稿:一市民 2020年01月11日

突っ込み所が多すぎる。

・「パソコンで上書き修正したため残っていない」>>>
やはり兵庫もITに関してはこの程度の認識か。神奈川県庁のHDD転売問題で、冷や汗をかいた兵庫県職員がいたんだろうな。上書きや削除したぐらいでは消えんよ。まだ情報が残っているかもしれないからPCごと公開請求する手段もある(そんなことはできないか)。

・マニフェストがあるから大丈夫>>>
マニフェストがあっても効果がないことは、高野の産廃が1年前に実証している。

・雇用が10人20人。農園、たい肥化施設。>>>
これで地元は賛成してるのか?そんなの地域活性化どころか環境悪化で地域不活性化間違いないと思うが。

・知事:要は視界の中に入らないようにしたらいい。>>>
この発言は文脈としては別荘の地価についての発言だが、これが全てを表している。上辺だけ取り繕ろえばいいと。

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投稿:反産廃 2020年01月11日

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