赤穂民報
長年の海岸清掃奉仕に表彰状(7月4日)
自宅近くの「坂越ふるさと海岸」でごみ清掃活動をボランティアで続けている坂越の網家(あみいえ)義郎さん(76)に一般社団法人全国海岸協会(脇雅史会長、事務局・東京都港区)から海岸功労者表彰がこのほど贈呈された。
海岸の美化保全に多大な成果をあげたとして、兵庫県西播磨県民局光都土木事務所が推薦。同事務所は「長年の善意に頭が下がる。網家さんの活動は環境保全の意識啓発にもつながっている」と功労を称えている。
同海岸は平成16年度に整備完了した人工海岸で延長約890メートル。沖合いに浮かぶ生島を回り込む潮流によって多くの漂着物が流れ着く。
同海岸北端から歩いてすぐの自宅で生まれ育った網家さんは同海岸の整備が一部出来上がった同14年ごろから、海岸に打ち上がった流木や空き缶などを拾い集める活動を始めた。近所の人の話では、がんじきを手に奉仕している姿を毎日のように目にするという。
特に作業量が増えるのが夏場。台風で多量のごみや海藻が岸辺に打ち寄せるほか、心ない観光客がバーベキューや花火の燃えかすを散らかして帰ることがあるからだ。夜明けと同時に活動を始め、暑くなると休憩。午後に再び掃除する日々が続く。せっかくきれいにしても、次の台風で新たなごみが打ち上げられる。それでも、網家さんは黙々と奉仕を続ける。
同海岸では毎年7月下旬、坂越小学校の6年生児童が生島まで泳いで往復する海洋訓練が行われる。「母校の児童が気持ちよく泳げるように」と網家さんは訓練前、特に念入りにごみを拾い集める。
活動を始める前と終わった後にコーヒーで一服するのが何よりの楽しみという網家さん。「やりがいを持って、これからも掃除を続けます」と誓いを新たにしている。
昭和51年度に始まった同表彰はこれまで通算618の個人・団体が選ばれた。今年度は網家さんを含む2個人と5団体が表彰を受けた。
(「海岸功労者表彰」で長年の海岸清掃奉仕を称えられた網家義郎さん)
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