赤穂民報

関福大・加藤明先生の「応援します!かしこい子育て・教育・介護」【第13回】(7月18日)

【こんな子いるかな、いないと心配】
 「しゃべるな」と注意してもおしゃべりをする子。お使い物の包装紙を破って開けてしまい台無しにしてしまったり、何でも分解したがる子。壁や床など、どこにでも落書きする子。ご飯の時間なのに、積み木や粘土に集中して離れない子。このような子どもの姿は、困ったものですが、実は子ども本来のあるべき姿であって歓迎すべきものなのです。
 注意をしてもおしゃべりがやめられない子(大学生にもいます)、これは生まれつき備わっているコミュニケーション、社会的な興味、本能があるからです。コミュニケーションやコミュニティ等はコモン(共通の)という言葉をもとにしています。言葉のキャッチボールによって分かり合いたい、つながり合いたい、共通の価値観を共有したいという興味、本能からくる自然なものなのです。ただ、大きくなるにつれて、しゃべっていい時とそうでない時の判断が求められます。
 何でも分解して壊したがる子、これは不思議なことが気になって仕方がないからであり、探究の興味、本能からくるものです。私は小さい頃、ゴルフボールの中がどうなっているかが気になってナイフで切ったことがあります。輪ゴムがぐるぐる巻きになっていて、どんどん奥まで切れていきました。そのうち、中から白い液体がぴしゃっと顔にかかり驚いたことがあります。
 落書きが大好きな子、これは表現したい、内にあるものを表出したいという興味、本能からくるものです。落書きしていい場所とそうでない場所を教えながら、いっしょに絵を描くと楽しいでしょうね。手分けして動物を描き、動物園を創るのも素敵です。お話をしながら、好きな動物から描くのもいいですね。
 砂遊びや積み木、粘土などの遊びは、製作の興味、本能からくるものです。時間を忘れて熱中、没頭して遊び込むなかから育つものがたくさんあります。こういった時間は、目的が自分の内にある自分の時間ですから。
 幼児期の子どもにとって、このように熱中、没頭して遊び込むことは、これからの成長、発達にとってとても重要なことです。むやみに叱らず、話し相手になってあげたり、一緒に作ったり、描いたりして成長を促進するようにしてあげることが大切です。簡単なことですよ、いっしょに楽しみながら遊べばいいだけですから。 
 このような自発的で能動的な活動に導く心的傾向を「興味」と呼び、これを遊びの場において、どのように導き方向づけるかが幼稚園や保育園では大切になります。(関西福祉大学・学長)

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