赤穂民報

関電が議会へ計画説明、CO2データ明かさず(7月22日)

 関西電力赤穂発電所の石炭火力改造計画をめぐり、同社は22日に市役所で開かれた赤穂市議会の議員協議会で計画概要を説明した。
 改造後の排ガス計画値について同社は、現行よりも改善または横ばいと見込まれるSOx(硫黄酸化物)とNOx(窒素酸化物)、ばいじんは具体的な数値を提示したが、CO2(二酸化炭素)については「手元に数値を持っていない」などとして明らかにしなかった。
 同社は今年3月に国へ提出した供給計画の中で、現在石油を燃料としている発電所について、赤穂はコストが低く調達しやすい石炭に切り替え、相生は石油や石炭よりも環境負荷の低いLNG(天然ガス)を併用できるプラントに改造する計画を公表。赤穂発電所が環境に与える影響への不安、相生との差異への疑問が市民の間でも高まっている。
 この日の説明で、同社は「赤穂発電所を石炭発電に改造した場合、最高水準の環境対策設備を設置する」と強調。平成5年度〜25年度の実績値と改造後の計画値の比較では、SOx、NOxは濃度、排出量とも20〜56%軽減でき、ばいじんは同等−との試算を示した。
 しかし、石炭発電のCO2排出量については計画値を示さず、石油よりも24〜28%増加するという一般的なデータを資料につけたのにとどめた。実績値を尋ねられても答えられず、「意図的に隠しているのではないか」(小路克洋議員)と同社の姿勢を批判する声もあった。
 新たに燃料設備とボイラー、環境対策設備を設置し、蒸気タービンや発電機、煙突などは現在の設備をそのまま使用する改造概要も説明。工期は4年程度を見込み、その間も発電を継続できるとした。
 自主的な実施を予定している環境アセスメント(環境影響評価)については、調査の計画と結果をそれぞれ公告・縦覧して説明会を行い、住民からの意見を受け付ける案を提示した。
 協議会には同社執行役員の樋口幸茂・火力事業本部副事業本部長、角倉浩司・赤穂発電所長ら8人が出席した。
 会合後に報道陣の取材に応じた樋口氏は、「一刻も早くスタートを切りたいが、市民のみなさんの理解を得た上で事業を進めたい」とし、CO2排出量の計画値については、「石炭の質、ボイラーの性能など前提条件を当てはめなければ算出できない。(公表できるかどうか)調整したい」と話した。

(赤穂発電所の燃料転換計画について関西電力に説明を求めた議員協議会)

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