赤穂民報

室町時代の大太鼓装飾を高校生が復元(7月28日)

 播磨を代表する名刹、鶴林寺(加古川市)に伝わる室町時代の大太鼓「だ太鼓」の装飾を赤穂高校雅楽部が実寸大で復元。このほど同校で開催された文化祭で発表し、色鮮やかな極彩色を現代に蘇らせた。
 だ太鼓は舞楽の伴奏に使われる巨大な締め太鼓で、世界最大の打楽器とされる。枠の装飾に左右一対の「だ(揚子江ワニ)」の彫刻が施されていることから呼び名がついた。
 同寺のだ太鼓は鼓胴の内側に「寛正弐暦弐月十九日」の文字があり、1461年に作られたものとわかる。永井信行顧問(45)によると、他の社寺に残るだ太鼓には龍と鳳凰が描かれていることが多く、実際に「だ」を意匠したものは「とても珍しく、古い形式をとどめているといえる」という。鼓面は破損し、枠の部分が辛うじて残っているが彫刻は褪色が進み、往年の色彩は見られない。
 6月に鶴林寺で実物を見学した部員たちは、つなぎ合わせた模造紙に太鼓の画像を実寸大になるようにプロジェクターで投影。沸き立つ雲や火焔など絵柄の輪郭を鉛筆でなぞって下書きした。奈良の春日大社にあるだ太鼓も参考にしながら赤や紫、緑など14色の水彩絵の具で着色。一日3〜4時間の作業を約1カ月続け、高さ3・25メートル、幅2・25メートルの復元画を完成させた。
 制作は家倉寧々さん(16)、河西麻椰さん(16)、立花優奈さん(17)の2年生部員3人が中心になって進めた。河西さんは「昔の人が一つ一つの色に込めた思いを想像しながら描きました」と出来映えに満足そうだった。

(赤穂高校雅楽部が制作した「だ太鼓」の復元画)

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