赤穂民報

世界一の親日国トルコ(9月12日)

 2020年のオリンピック招致では、東京とトルコのイスタンブールが争いました。この状況がテレビなどで報道されているとき、私の頭の中には、両国間に1世紀を越える熱い人々の交流があったなんて夢にも思っていませんでした。
 今から125年前の1890(明治23)年9月16日、オスマン帝国(トルコ共和国)の軍艦エルトゥールル号は、故国への帰路に嵐に遭い、和歌山県紀伊大島沖で遭難しました。このとき、大島の村人たちは懸命に乗組員を救助しました。
 このことは私も大まかには知っていましたが、この絵本を読んで、後日談に感激しました。最も私の胸を打ったのは、エルトゥールル号遭難から95年後の1985(昭和60)年にあったイラン・イラク戦争での出来事です。
 当時、イランの首都テヘランには日本の商社員やその家族が住んでいました。危険を回避して日本の航空会社がイランへのフライトを取りやめた中、航空機2機を飛ばして215人の邦人を救い出したのがトルコでした。
 日本からの感謝にトルコ政府は「私たちは100年前の日本人の恩を忘れていません」と答えたといいます。人々の心の交流の大切さを改めて教えられました。これからも絵本を通して世界の国の人々について学んでいきたいものです。
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 『エルトゥールル号の遭難−トルコと日本を結ぶ心の物語―』○文/寮美千子○絵/磯良一○小学館

(『エルトゥールル号の遭難−トルコと日本を結ぶ心の物語―』 ○文/寮美千子 ○絵/磯良一 ○小学館)

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