赤穂民報
鎮魂と復興への願い込めて塩地蔵(10月21日)
赤穂から製塩技法が伝わった縁がある宮城県気仙沼市に今月29日から4日間の日程で復興支援ボランティアに出向く赤穂高校定時制(大西正則校長)の生徒たちが、赤穂の塩を固めて彫刻したミニ地蔵像を制作。被災地への鎮魂と復興の願いを込めて訪問先に寄贈する。
筒に入れた塩に水を加えて突き固めた直径約6センチの円柱を彫刻刀で加工。総合的な学習の時間に1〜4年生の希望者18人と教諭が計22体を彫った。表情や背の高さが一体一体異なるのは手作りならでは。3年の林光さん(18)は「被災地に笑顔が増えてほしい」と、にこやかな顔をしたお地蔵さんを作った。
同校は今年3月に赤穂市役所で行われた「3・11絆ラーメンを味わう会」にボランティアとして参加。江戸時代に赤穂から気仙沼へ製塩技法が伝わった縁で現在も交流が続いていることを知り、従来は地元で続けてきたボランティア活動を気仙沼で行おうとの声が上がった。
塩地蔵は、津波で全壊して3年前に再建された「岩井崎塩づくり体験館」へ寄贈する。塩の円柱も約100本を持ち込み、生徒がボランティアで観光客向けの造形教室を行う。また、仮設住宅や商店街も訪れ、学校で栽培して収穫したひょうたんを材料に絵付け教室を開き、現地の人たちと交流する予定だ。
「少しでも励ますことができれば」と太田晃司さん(17)=3年=。住所高志さん(18)=同=は「復興を願っている気持ちだけは伝えたい」と話している。
(赤穂高校定時制の生徒たちが鎮魂と復興を願って制作した塩地蔵)
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