赤穂民報
関福大・加藤明先生の「応援します!かしこい子育て・教育・介護」【第20回】(11月7日)
【「わたしが毎日やれることは」の年賀状がきます】
毎年の年賀状の楽しみの一つが、神奈川県で小学校の先生をしている50歳代の友人から届く次のような年賀状です。
(1)無理なくやれること(やっとできるようになったこと)=▽疲れたり、気持ちが落ち込んだりしているときは子どもを叱らない▽休み時間には子どもたちのトイレを使う▽「さようなら、また明日ね。待っているね。」という気持ちで下校を見送る。
(2)少し気をつけていること(だんだんできるようになったこと)=▽「おはよう」と明るい声を出し、子ども一人ひとりの名前を呼んであいさつをする▽教室に野の草花をいけ、一言添える(「とってもすてきな色だったのでついとってきました。校庭の近くにありました。」)▽その子らしさや子どもの動きが感じられる掲示環境を創る▽涙ぐんだり泣いたりしている子には「悲しいんだね」と声をかけたり、だまって頭をなでてやったりする▽どんな些細なことでも話しかけてきたらゆっくり聞いてあげる。
(3)努力していること(心しないと無理なこと)=▽一人一回はことばをかける(かかわりをもつ)▽一週間に一回は一人ひとりの記録を残す▽「わかった人」よりも「まだ少し分からない人」ということばで聞く▽ノートや作品の鑑賞会を子どもと共にする。
いかがですか。毎年届くたびに、「(3)努力していること(心しないと無理なこと)」が「(2)少し気をつけていること(だんだんできるようになったこと)」や「(1)無理なくやれること(やっとできるようになったこと)」へとランクが上がっていきます。これは年始めの宣言と結果報告を兼ねての年賀状なのです。
前回は「いつまでも叱ってくれる先生はいない」とのタイトルで書きましたが、このように叱ってくれる先生を自分の内にもてばいいのです。「居ますが如く」です。学び続ける姿勢、いつまでも成長しようとがんばる姿勢に頭が下がるだけでなく、「よし、私も」と元気づけられます。成長は自分でしていくもの、元気は出すもの。三日会わざれば刮目して待つべし、です。
これを、自分だけでなく、家庭で相談して創るのもお薦めです。▽休日は、少しでいいからのんびりいっしょに過ごす時間をもつ▽朝一番は、元気よく、心をこめてのあいさつから−など。「少し気をつけている」と「だんだんできるようになり」、そのうちに「無理なく」自然にできるようになります。家族の絆と居心地のよい家庭は、ちょっとした努力で創れるものです。(関西福祉大学・学長)
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