赤穂民報
難病男性 感謝と希望のファンラン完走(11月11日)
第5回赤穂シティマラソン大会は8日、加里屋の赤穂城南緑地公園を発着点に開催され、ハーフから2キロまでの4コースで計3540人が完走した。今年新設されたファンランの部(3・8キロ)では、難病と闘う坂越の平野勝さん(74)が伴走者の支援でゴールを果たした。
3年ほど前から足にしびれが生じ、パーキンソン病の疑いがある平野さん。フルマラソン完走25回の健脚の持ち主が、今春には歩くこともままならないほどまで症状が悪化したがリハビリと治療に専念し、念願の大会出場を叶えた。
平野さんのケアプランを担当する細川福成さん(38)=デイサービスセンターいきしま所長=が伴走。制限時間を気にするあまり、オーバーペースになりそうになる平野さんに「ゆっくりでいいよ」「落ち着いていきましょう」などと声を掛け、つまづいて転びそうになったときはがっちりと抱きかかえた。
最大のピンチは残り約1キロ。足が突っ張って動けなくなった。自転車で追尾していた救護スタッフが冷却スプレーで筋肉疲労を緩和して再び足を踏み出すことができ、何とか制限時間内に関門を通過。応援のリハビリ施設職員たちが待つ競技場へ帰還し、「平野さん、お疲れ様!!」と書かれたテープに飛び込むようにゴールした。
「最後まで走り抜いた意志の強さで、きっと病気を克服してくれると思う」と細川さん。平野さんは「細川さんのサポートやみなさんの応援がなかったら完走できなかった。これからも支えてくれている人たちへの感謝と自分への自信を忘れず、リハビリを頑張ります」と意欲を新たにした。
(応援者が用意したゴールテープに飛び込んだ平野勝さん)
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