赤穂民報
ウルグアイ大統領の思い(4月16日)
中央・南アメリカ大陸は、インカ帝国やマチュピチュなどの古代文明が栄えた土地です。一方、アマゾン川流域には、秘境と言われる地域が今も残されています。そこには、いろいろな伝承文化が息づいています。でも、それらの文化が絵本となって紹介されているのは、ほんの数冊に過ぎません。
2012(平成24)年、ブラジルのリオデジャネイロで、環境の悪化についての国際会議が開かれました。
この会議に出席したウルグアイのムヒカ大統領は、質素な服装で次の四点について演説し、高い評価を得ました。
・人と人とが幸せな関係を結ぶこと
・子どもを育てること
・友人を持つこと
・地球上に愛があること
ウルグアイは、世界で一番貧しい国と言われています。ムヒカ大統領は、給料の大半を貧しい人々に寄付し、公邸に住まず、古びた愛車を自分で運転し、仕事に向かっています。そんな大統領を、ウルグアイの人々は親しみを込めて「ペペ」と呼んでいます。
今日の世界の動きは、その多くが経済を発展させようという論議ばかりです。開発が十分でない国々を、どう開発していくのか、という話ばかりで、そこに住む人々の幸せについて考えているとは思えません。
なぜ、質素な暮らしが恥ずかしいことなのでしょうか。ウルグアイのムヒカ大統領のスピーチをゆっくりとかみしめながら、地に足を付けた暮らしをしたいものです。
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『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』○編/くさばよしみ○絵/中川学○汐文社
(『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』 ○編/くさばよしみ ○絵/中川学 ○汐文社)
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