赤穂民報

「お寺で朝食を」ユニークなパン教室(6月4日)

 早朝坐禅とパン料理教室をセットにしたユニークな文化講座「花岳寺で朝食を。」が加里屋の曹洞宗花岳寺(片山元道住職)で今春から月1回開かれている。開始時間は午前5時。参加者からは「心もお腹も満たされます」と好評だ。
 同寺では昭和60年に坐禅会「赤穂学林」が始まり、写経会や茶道会などを月例で行っている。パン料理教室は「お寺をもっと誰でも気軽に集まれる場にしたい」(片山住職)の思いから4月に新たに開設した。
 加里屋中洲で「あこうぱん」を経営する鈴木誠さん(46)が片山住職に共感して講師を引き受けた。「登校前の子どもたちにも参加してほしい」と、あえて早朝の開催を選び、赤穂藩主・浅野家の菩提寺であることにちなんで「日本一早いあさのパン教室」とした。
 先月31日にあった第2回には中学生を含む7人が参加した。本堂で10分ほどの坐禅を組んでから台所がある庫裏へ。この日のメニューは「牛すじと夏野菜のカレーパン」と「皮付きニンジンサンド」の2種類。
 役割分担し、食パンの中をくり抜いてカレーパンの器を作ったり、ニンジンをピーラーでカットしたり。随所で鈴木さんがプロのコツを伝授する。片山住職はフライパンで牛すじ肉を炒め、永平寺で精進料理を学んだ腕前を見せた。
 食事への感謝や反省、誓いなど5か条の「五観の偈」を唱和してから会食。本来は無言で食するのが作法だが、この教室は会話もOKで和気あいあいと朝食を楽しみ、6時半に終了した。
 初回に続いて参加した加里屋の自営、春田千明さんは「坐禅で心が落ち着くし、料理の勉強にもなる。何よりパンがおいしいので、また参加したいです」。同寺は「お寺はお墓参りや法要のときだけ行くところ、というイメージを取り払いたい。気軽に参加してください」と呼び掛けている。
 次回は6月28日(火)。参加費500円。申込みはTel42・3565(あこうぱん)。

(ユニークな「日本一早いあさのパン教室」)

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