赤穂民報
コラム【陣太鼓】雄鷹台山の頂上ノート(9月10日)
▼「ふるさと兵庫百山」に選定されている雄鷹台山の頂上休憩所にポストがあり、その中に登山者が感想を記すためのノートと筆記用具が置いてある。
▼「登山の思い出になれば」と常連の登山愛好者らが6年前に備え付けた。「夫婦で初登頂!」「頂上で食べるお弁当サイコー」。書き残されたメッセージから書いた人たちの笑顔が思い浮かぶ。
▼その中に、「死のうと思って登ってきた」と書いたページがあり、思わず息をのんだ。「高校3年男子」とある。学校でのいじめで精神的に追い詰められたらしい。
▼文章は次のように続いていた。「頂上から見える美しい赤穂の景色に心をうたれました。いじめに負けずもう少し頑張って生きてみようと思います」。
▼山には人を癒したり、勇気を与えてくれる力があるのかも知れない。頂上のノートはページがいっぱいになると誰かが新しいものを差し入れ、9冊目になっている。
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