赤穂民報
関西福祉大学リレーコラム・今年のうちにやっておくこと(12月22日)
そろそろ新しい年の足音が聞こえてきました。何かと気ぜわしい年末ですが、忙中閑あり、お茶でも飲みながら閑の時間をつくり、一年を振り返ってみてはどうでしょう。
今年は誰と出会ったのか、心を動かされた出会いは人ばかりではなく本や映画、品物だったかもしれません。うれしかったこと、楽しかったこと、悲しかったこと、悔しかったこと、忘れないでおきたいこと、忘れてしまいたいこと等々、振り返れば次々に走馬燈が巡るように思い起こされることと思います。
年が変われば、来年は今年に、今年は去年になります。悲しかったこと、悔しかったこと、忘れてしまいたいことなどは、同じ過ちをおかさないための反省だけを残して、後悔といっしょにもう去年のことにしてしまって新年を迎えましょう。このようなポジティブな気持ちの持ち方が大切です。自分の気持ちは自分でコントロールしようとすれば何とかできるものですし、気持ちの持ち方しだいで世の中は変わって見えるからです。
今年のうちにやっておくことのなかで、誰もがこれだけはやっておかねばならないことの第一は、なんと言ってもお世話になった人に感謝の気持ちを伝えることです。
12月8日の針供養(2月8日に行われる地方もある)、この日は針仕事を休んで折れた針や古い針を集めて感謝しながら供養する日ですが、このように感謝の心を形で表す文化を子どもたちに伝えていきたいものです。
お歳暮もそうです。品物が大切ではなく、1年間のありがとうを形にして感謝の気持ちを伝えることが大切なのです。照れくさいようならクリスマスにでも、手紙や手作りのプレゼントで感謝の気持ちを伝えるのもいいと思います。受け取る方も、相手の精一杯の感謝の気持ちを受け取ることを忘れないように。心を心遣いという形にしてのやりとりです。
新年の挨拶の「あけましておめでとうございます」は、「無事に年が明け、ともに新年を迎える」ことを「愛(め)で」、喜ぶという気持ちを表すことばです。年賀状では、これに続いて「旧年中にお世話になったことへの感謝と、今年もお世話になりますが一生懸命がんばりますのでどうぞよろしくお願いします」の気持ちを込めた文面が続き、遠い友には近況を伝える添え書きとともに、思いを馳せ、ともに新しい年を生きることの喜びと感謝を分かち合います。
このようにして、心豊かに新しい年を迎え、来月から始まる新しい暦のもと、気持ちを新たにして、今年一年をたくましく、優しく、感謝しながら生きていきましょう。
新しい年からは、新しい執筆陣も加わり、引き続きのこの欄を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いします。(加藤明学長)
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