赤穂民報
関電 赤穂火力の石炭転換断念(1月31日)
関西電力は31日、赤穂発電所の使用燃料を重油・原油から石炭へ転換する計画を見直し、現在の運用を継続することを決定した。見直しの主な理由として、「電力需要の減少」と「CO2(二酸化炭素)排出量削減に向けた対策強化」を挙げている。
計画は「燃料調達の安定化とコスト削減」を目的に同社が平成27年3月に発表。ボイラーなど一部設備を改造して32年度中に石炭発電に切り替えるスケジュールを立て、自主的な環境影響評価(アセスメント)の手続きを進めていた。
しかし、計画発表時点で「年平均0・6%増」と見込んでいた関西エリアの電力需要は「節電の定着や省エネの進展」(同社)で「年平均0・2%減」に下方修正。また、計画発表の4か月後には政府の温室効果ガス削減目標が設けられ、「当社を取り巻く経営環境を勘案した結果、計画を見直した」という。
同計画に対しては、環境影響評価に伴う説明会で環境影響を懸念する意見や質問が続出。また、兵庫県は「二酸化炭素削減の取り組みに疑問がある」などとする知事の意見書を出すなど理解を得られにくい状況が続いていた。
計画の見直しに伴い、同社は環境影響評価の手続きを中止する。「速やかに関係各所に計画見直しを報告する。地元の赤穂市をはじめ、ご迷惑をお掛けしたことについておわびを申し上げたい」と話している。
同社は季節、天候、昼夜を問わず一定量の電力を供給するベースロード電源として原子力、石炭火力を位置付けており、燃料コストの高い石油火力の継続が決まった赤穂発電所は「従来通り、需要が高まったときのみ稼働させる調整役的な発電所」となる。
(石炭への燃料転換計画を断念し、重油・石油による発電が継続されることになった関西電力赤穂発電所)
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