赤穂民報

【読者の声】「観光客用」なのにそれ以外で満車(3月25日)

 御崎の温泉旅館街で赤穂市が観光客用として設けている無料駐車場に観光客以外の車が多数停まっています。ほとんどの時間で満車の状態で、駐車をあきらめて帰って行く観光客も少なくありません。どうにかならないものでしょうか。(御崎の一住民)
 * * *
 市によると、この駐車場は昭和39年から伊和都比売神社の宮地を借り受け、観光客用として整備。当初は有料だったが、利用者減で収入よりも経費がかさむようになったため平成3年から無料開放した。土地の賃借料は3年ごとに更改し、今年度は年間約213万円。55台分の区画があり、地元の温泉旅館でつくる団体に管理を委託している。
 同駐車場周辺では近年、飲食店や雑貨店などが相次いでオープンしたほか、「恋人の聖地」としても注目。瀬戸内の眺望を目当てに日帰り入浴の人気も高い。訪れる人が増加する中、「近隣の宿泊施設や店舗の従業員、地域住民が車を停めており、観光客が駐車できない」と駐車場不足が目立つように。市議会でも平成24年以降、再三問題視されたが改善には至っていない。
 赤穂民報が2月3日から9日まで7日間行った調査では、連日午前10時の時点で区画台数を上回る60台以上で埋まり、駐車禁止のペイントがある消火栓の上にも車が停まっていた。一週間以上間を空けて再び調べたところ、少なくとも7割は最初の調査期間中にも駐車していた車両で、多い日だと9割近くを占めた。
 神社境内から海へ向かう通称「きらきら坂」沿いに出店が並ぶ月1度の「御崎マルシェ」が開催された今月19日。駐車場への入庫を待つ車が路肩に並ぶ時間帯もあった中、旅館の制服を着た人が乗り降りする車や旅館のロゴが入った保冷車が停まっていた。仕方なく約700メートル先の臨時駐車場(旧御崎小学校跡地)へ向かう観光客の車もあった。
 こうした現状を知った市民からは「本来は自己負担で確保すべき駐車場を税金で肩代わりしている状態でおかしい」「関係者が近くに停めて、観光客を遠い臨時駐車場に停めさせるとは。『おもてなし』の精神にはほど遠い」と批判の声が上がっている。
 旅館関係者の一人は「近隣に駐車場の用地が不足しているという根本的な問題がある。市ともよく話し合って解決策を見つけたい」。市は「コインパーキング化や管理を別の団体に移管することなども検討したい。市が土地を借りるのを止めることも選択肢の一つ」と話している。
 * * *
赤穂民報より
 本来はモラルやマナーの問題ですが、市議会で問題が指摘されて約5年経っても改善されていないことを考えると、抜本的な改革に踏み切る段階に来ていると言えます。
 市は御崎地区を戦略的に観光活性化を進めるエリアの一つに位置付けており、今後さらに観光客が増加すれば、さらに駐車場が不足する可能性があります。御崎の福浦海岸から海岸遊歩道を通って伊和都比売神社まで歩く周遊ルートをPRすることで臨時駐車場(旧御崎小学校跡地)への誘導を図るなど駐車場所を分散させる工夫も進めるべきでしょう。
 また、車の進入を規制したことによって、かえって観光客でにぎわうようになったという事例もあります。行政と観光業関係者だけでなく、地域住民も交えた会合を持ち、どのような地域づくりを進めるか話し合ってほしいと思います。

(雨が降る平日朝でも満車の観光利用客駐車場=3月21日午前9時44分)

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer