赤穂民報

関西福祉大学リレーコラム・小学校の教室から学んだこと(1)(4月1日)

〜4月はチェンジのチャンス〜
 新しい年度が始まりました。「今年こそ…」多くの方がこのような気持ちをもって新年度を迎えていらっしゃるのではないでしょうか。私は、16年間、他県で小学校教員をしていたのですが、自らも毎年4月になると「今年こそ…」と思ってきました。
 新学期、子どもたちは、新しい教室、新しい友達、学習や生活に胸を躍らせます。子どもたちの関心事の一つは、どの先生が担任の先生になるかということ。初めて教師になったとき、「子どもは先生を選ぶことができないんだ」と先輩から言われたことを覚えています。「もしも、自分が担任でないなら、この子たちはもっと楽しく、もっと力をつけることができるもしれないな。だからこそ、精一杯やらなくちゃ…」新年度が始まるまで、そんな気持ちで、どんな話をしようか、どんな目標を持とうか、どんなルールを決めようか…と考えるのです。
 さて、この始まりのときに子どもたちがもつのは、まさに、「今年こそは!」という気持ちなのです。これは、新しい自分の発見や変身への期待とも言えます。大きく変わるチャンスはまさに今なのです。ですから、この時期、子どもたちには、「生活の中で何かを変えてごらん」と伝えます。
 もちろん何でもいいわけではありません。(1)プラスになること(頑張って続けた後、どんな自分に変身しているか想像させてみると子どもにとって分かりやすいです)(2)自己決定したもの(相談することは大切ですが、最後はその子自身で決めるようにするのです)(3)できているかどうか、誰が見ても判ること(宿題をがんばる、人にやさしくするなどは、できたかどうか判断するのが難しいのです)の条件を満たすものがおすすめです。
 「寝る前に持ち物を確認する」でも、「問題集を必ず1ページはする」でも構いません。長続きするコツは2つ。ちょっと頑張ればできることから始めさせることと、お家の人ができたかどうかを確認し、できていれば必ず褒めることです(最初の2週間はお家の人も頑張り時です。できていないときは、「自分で決めたことだから頑張らないとね!」といってやらせ、ほめてあげることが大切です)。
 この時期にはみんな張り切って取り組みます。ちょっとしたことでも、生活は少しずつ変わり始めます。「できたよ!」という実感から自信が生まれ、次から次へと力を伸ばしていくからです。ぜひ、お子さんと一緒に、このチェンジのチャンスを生かしてみてはいかがでしょう。
 この連載では、小学校の元教員として感じてきたことをお伝えし、皆さまのお役に立てばと思っています。(新川靖・発達教育学部助教)

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