赤穂民報
ひとりぼっちのテンボ(5月27日)
アフリカは、絵本の中でも、新聞、テレビと同様に遠い遠い存在です。
コンゴ共和国生まれの著者によって、私たち日本人に贈られた一冊の絵本を手にすることが出来ました。
コンゴ共和国の人々は、18世紀以降、ベルギーやフランスなどのヨーロッパ人の進出によって苦悩の生活が300年間も続きました。
少年カウンゲは、自分の仕かけたわなに赤ちゃんテンボ(テンボとは、ザイールの言葉でゾウのことを言います)がかかっているのを見つけ、やっとのことで助けだしました。
なんと、お母さんゾウは密猟者によって銃で撃ち殺されたのです。
なんとも悲しい物語です。
かなり前のことですが、業者から象牙の印鑑を勧められたことがありました。もし、その時、象牙の印鑑を購入していたら、どんな気持でこの絵本のページをめくったことでしょうか。私たちの日々の生活の中に、何でもないことの中に、多くの遠い国々の人たちを悲しませているものがあるかもしれない。そう思いながら、もう一度読み返しました。
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『TEMBO(テンボ)〜ひとりぼっちのアフリカぞう』○文/サンガ・N・カザディ○絵/いそけんじ○アスラン書房
(『TEMBO(テンボ)〜ひとりぼっちのアフリカぞう』 ○文/サンガ・N・カザディ ○絵/いそけんじ ○アスラン書房)
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