赤穂民報

関西福祉大学リレーコラム・小学校の教室から学んだこと(3)(5月27日)

〜学校行事で子どもは伸びる〜
 学校では、1年間にたくさんの行事が行われます。子どもやクラスにとって学校行事は大きくステップアップする場となります。
 例えば、運動会。小学校の高学年になると中心となって活動する場面が増えます。学校のリーダーとして活躍する体験はとても大きいのです。学習発表会など、学んだことを発表したり、劇にしたりして発表する行事もありますね。ここでは、友だちと協力することや、堂々と話したり演技したりする経験が子ども達に大きな変化をもたらします。引っ込み思案だった子がいつの間にか大きな声で話すようになるきっかけとなるのもこのような行事の醍醐味です。
 お家の人が参加する学校行事がいくつかありますが、声援や歓声が、私の子どもの頃と比べると小さくなっている気がします。なぜなのでしょう。理由の一つはビデオカメラの普及にあるのではないかと考えます。多くのお家が、成長記録のため、会場に来られない親戚のためにレンズをわが子に向けていました。自分の声が入らないように音を立てないようにして、しずかに液晶モニタに映る子どもたちを応援されていました。わが子の出番でないときも、周りのカメラを気にして、静かにされています。
 子どもたちが一番喜ぶのは、頑張ったときに頑張ったことをちゃんとほめてもらえることです。お家の人の声援は今まさに頑張っている子どもを勇気づけ、奮い立たせてくれます。学習発表会などで喜劇を演じている子たちにとっては、お家の方の笑い声が一番のご褒美です。
 そして、行事が終わった後は、必ず褒めてあげてくださいね。家族からのうれしい一言が充実感を高めます。ついつい「こうした方がいいよ!」とアドバイスも言いたくなるのですが、それは次回までの我慢です。なぜなら、その時にはもう、挽回する場がありません。きっと頑張った子ほど上手くいかないところを自分で分かっています。
 ぜひ、お家の人には、子どもたちの姿を目で追いかけ、声に耳を傾けていただき、大きな声援や拍手を送っていただきたいなあと思います。そして、子どもたちをしっかりとほめてあげていただきたいなあと願うのです。でも、ビデオも残したい…。これは悩ましい問題ですね。(新川靖・発達教育学部助教)

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