赤穂民報

関西福祉大学リレーコラム「お母さん、安心して話してください」(8月5日)

 近年は働くお母さんが増えました。労働政策研究・研修機構が発表した統計結果によると、今や圧倒的に共働き世帯が多くなっています。
 この春から保育園に入園した子どもたちもたくさんいらっしゃると思います。しかし、保育園に通い始めた小さな子どもは体調を崩すことがよくあります。今回は、筆者が経験した看護場面をご紹介しようと思います。
 2歳未満の子どもさんの場合、自分の具合の悪さをうまく伝えることが難しく、言葉でやりとりできることは限られています。普段から体調管理に気をつけていても、急に具合が悪くなることもよくあります。朝は元気に保育園に出かけても、発熱した、嘔吐した、といった子どもの急病は、よく経験されると思います。
 小児科外来に受診されると、「今日はどうされましたか」など診察の順番までにいくつか質問させていただくことがあります。症状に関連するエピソードをお聞きして、緊急性の判断や適切な治療に結びつけてゆくためです。
 しかし、親はぐったりしている子どもの姿に動揺し、理路整然と話せない場合もあります。それほど子どもの急病を心配しておられるのでしょう。また、お仕事が忙しく、子どもの体調を見落としていたと自分を責める親御さんもいらっしゃいます。われわれは、このような親御さんの心情を念頭に入れて看護します。ご家族への支援も大切な看護なのです。子どもの身体を観察し、親御さんのお話に耳を傾けます。時々、「それはこの症状が出る前でしたか?」「下痢や嘔吐の頻度は増えていますか?減っていますか?」などの質問を入れて時系列や状況を整理していきます。
 忙しい毎日を過ごす親御さんにとって、子どもの健康管理はなかなか大変なことです。そんな時、保育園からの連絡帳や保育士さんとのやり取りもヒントになることがあります。給食の摂取量や排泄、昼寝の様子、機嫌など短いセンテンスで大事な情報が詰まっています。子どもとかかわってくれる周囲の人と連携を密にしておくことは、子どもの体調を把握するのに役立つと思われます。(竹村淳子・看護学部教授)

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