赤穂民報

赤穂コールドロン講演会に360人(8月27日)

 国内最大級の火山性陥没構造が判明した赤穂市域一帯の地形について専門家が語る講演会「命名!赤穂コールドロン」が27日、新田の関西福祉大学であり、地質調査を担当した国立研究開発法人産業技術総合研究所の研究員が地質の成り立ちを解説した。
 同研究所によると、赤穂市域一帯は日本列島がまだ大陸の一部だった約8200万年前の後期白亜紀に大規模な火砕流噴火によってできたカルデラが陥没した跡地に位置。その大きさは東西21キロ、南北16キロ以上に及び、阿蘇や姶良に匹敵するサイズだという。同研究所は「赤穂コールドロン」と名付け、昨年8月、調査結果を地質図にして発表した。
 この日は同研究所の斎藤眞博士が地質調査の意義や作成手順を説明した上で、赤穂市一帯を3年がかりで合計200日間かけて踏査した佐藤大介研究員が赤穂コールドロンの成立過程を図解。大規模な火砕流噴火によって円形に陥没した割れ目からマグマが上昇して固まってできた「環状岩脈」など陥没カルデラ特有の現象が赤穂市と周辺で確認できたことや、地層調査によって9回の噴火があったと推定されるとの分析を語った。
 講演会は赤穂市が主催し、約360人が来場。会場には赤穂コールドロンで採取された岩石も展示された。親子3人で聴講した尾崎の小学6年、大西諒英(あきふさ)君(11)は「どうやって出来たのか知りたかった。コールドロンは不思議がいっぱい」と興味を深めた様子だった。
 斎藤博士は「四国山地と中国山地の間の瀬戸内海沿いだからこそ赤穂の塩田も生まれた」と地質が地形や気候、産業に恩恵をもらたした点を強調。「まずは赤穂に住む人たちが地質史を知り、郷土に誇りを持って」と呼び掛けた。

(赤穂コールドロンで採取された岩石に見入る参加者)

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