赤穂民報

あかいほっぺた(9月2日)

 タイトルからどんな絵本を想像されるでしょうか?
 「“いじめ”は、携帯電話の普及に関係がある」と、長く生徒指導に関わってきた教師から聞いたことがあります。
 子どもたちの間では、友人からのメールにすぐに返信メールを返さなければ、そこからいろいろなトラブルが生まれてくる、と言われています。
 この話が本当だとしたら大変なことです。
 私は、ずっと以前から、なぜ“いじめ”が生まれてくるのか、心を痛めています。
 絵本の帯にこんな言葉がつづられています。
 「トムが いじめられている。わたしは なんにも いえない。でも−」
 (まだ続きます。あとは絵本でぜひ…)
 これは、いじめに遭っている“トム”をなんとかしなければと悩み、苦しんでいる一人の少女の物語です。
 赤いほっぺたのトムがなぜいじめられるのでしょうか…。
 “トム”は、何もしていないのです。
 同級生の多くの友だちは、トムをいじめてはいけない、と思っているのですが、そのことを口に出す勇気がありません。
 このことは、大人社会も同じではありませんか。そんな思いを強くした絵本です。
 ベルギー生まれの著者に感謝します。
  * * *
 『あかいほっぺた』○作/ヤン・デ・キンデル○訳/野坂悦子○光村教育図書

(『あかいほっぺた』 ○作/ヤン・デ・キンデル ○訳/野坂悦子 ○光村教育図書)

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