赤穂民報
関西福祉大学リレーコラム・健康は未来へのおくりもの!(3)(9月16日)
【スマートフォンでのネット使用による睡眠への悪影響】
前回はネット長時間利用と生活の変化についてお話をしました。今回は、スマートフォンの使用が生活リズムの軸となる子どもの睡眠に与えうる影響についてお伝えします。さまざまな面での影響がありますが、依存になってしまう危険性と、心身の発達に対する悪影響が、子どもたちでは特に問題となります。スマートフォンの使用の影響を挙げてみましょう。
まず一つめに、画面から出るLEDの光は弱いですが、近い距離で直接目に入ること、子どもの目は水晶体の透明度が高いことなどから、光による体内時計・覚醒系への影響があります。
二つめに、画面を指先で操作することによる覚醒刺激という影響があります。指を細かく動かす動作は目を覚まします。友だちとのやりとりやゲームは楽しいので脳が活性化して目が覚めます。眠る前にメールを何通か書くとコーヒーを飲んだときと同じくらいに目がさえるという研究もあります。
三つめに、友人グループの中でもっとも遅くまで起きている子に同調し、夜型化するという影響があります。子どもたちに特に広がっているLINEは「グループ」を簡単に作れ、グループ全員に「トーク」を送ることができます。トークは相手が寝ていたりして応答できなくても使えるので、夜中でも気軽に送れます。また、相手が読んだかどうかがわかる既読通知機能があり、誰が寝ずにおきているのかもだいたいわかります。翌朝では会話の流れについていけないと、もっとも遅い時間まで起きている夜型の子に、全体が合わせてしまいます。
最後四つ目、有害コンテンツ(性的・暴力的・出会い系など)への容易なアクセスという影響があります。どこでもネットにつながり、簡単に使えます。照明を消して寝ていると親は思っていても、布団の中で使うこともできることから、ゲームのみならず、暴力的・性的なコンテンツへ隠れたアクセスへのハードルも低くなります。
そこで提案です、いつまでも接触させないことは難しく、良い面もありますので、使い方を規制し、親子でルール作りをしましょう。ここで、見落としがちなこととして、親のスマートフォン依存による子どもへの影響も意識することが大事です。(岡本啓子・看護学部教授)
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次回からは加藤明学長のコラムです。お楽しみに!
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