赤穂民報

関福大リレーコラム・「始めが肝心」「終わりよければ」どちらが正しい?(10月14日)

 「お母さん教えて。始めが肝心、終わりよければすべてよし、どちらが正しいの?」
 こう聞かれたらどのように答えられますか。
 「始めも、終わりも大切ってことだよ」
 「それじゃあ、始めと終わりの真ん中のところは大切じゃないってこと?」
 「いや、真ん中も大切だよ。そこがちゃんとしていないと終わりがよくならないから」
 「だったら、始めも、終わりも、その真ん中もみんな大切ってこと?」
 「そうだよ」
 「ふーん、だったら始めが肝心とか、終わりよければすべてよし、ってわざわざいうのはどうしてなの?」
 この問答、いかがですか。子どもの素朴な疑問に答えるのは、なかなか難しいですね。
 「今日から宿題や予習もちゃんとやろうって思ってるんだ」
 「そう、それなら始めが肝心、思い立ったら吉日。さっそく今からやってみたら。取りかかるのにぐずぐずしているうちに、時間は逃げていってしまうよ」
 実は、時間だけでなく、関心も、やる気も他のところに飛んでいってしまうのです。ほんの2メートルか3メートルくらいの机までの距離が、たどり着くのにキロメートル単位になってしまうのです。そうならないうちに、ぱっと勢いで取りかかること。物事は始めが肝心なのです。
 「今、時間がないの。ご飯を食べてからなら時間があるから、それからするよ」
 これを容認せず、そこで魔法の言葉を一言。
 「だまされたと思って10分でいいから、少しでもやっておいたら。そしたら、その後がうまくいくから不思議。さあ、やってごらん」
 まず10分やってみる。そうすると、やる気が他に逃げず、宿題忘れがなくなります。
 隙間の時間を使って、少しでもかじっておくこと。始めと終わりの真ん中がはかどり、終わりよければという結果になります。やる気のスイッチをONにしておくこと。始めに少しでも取りかかり、かじっておくことで、やる気モードにすること。お尻の重い子には、このような始めが肝心です。私たち大人が仕事する場合にも同じことが言えますね。(加藤明学長)

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