赤穂民報

赤穂緞通の現代作家ら一堂ギャラリー(1月1日)

 兵庫県指定伝統的工芸品の「赤穂雲火焼」を専門に取り扱う御崎の私設美術館「桃井ミュージアム」で、同じく県指定伝統的工芸品の「赤穂緞通」の新作を集めたアンテナショップが今月からオープンする。
 「地元の伝統文化を広めたい」とする桃井香子オーナー(74)の思いに市内6工房計20人の作家が賛同した。陶芸と織物。郷土が誇る伝統工芸を発信する拠点となる。
 赤穂緞通は鍋島、堺と合わせて日本三緞通に数えられたが、戦前に綿花輸入制限で原材料が入手困難となり衰退。時代の変化につれて織元が次々と廃業して織子が減少する中、平成3年から市教委主体で開かれた赤穂緞通織方技法講習会の修了生たちが緞通製作の灯を守ってきた。9年前に兵庫県伝統的工芸品に指定された。
 同館では数年前から赤穂緞通を展示。知人作家の協力で小型織機も展示し、織子が地道な手作業で織り上げる製作過程の紹介を始めたところ、「もっと多くの作品を見たい」「気に入ったものを購入したい」という要望が来館者から寄せられ、アンテナショップの開設へとつながった。
 これまで特別展会場として使用していた2階和室に作品を並べる。展示販売の拠点を持たない工房や作家にとって、地元で作品を発表する場を得ることになり、「このような場があればと思い描いていたのでありがたい」「これから作家になろうとする人にとっても道筋になる」と作家らも歓迎している。
 今後は同館と作家それぞれが委託販売契約を結び、作家自身が価格設定して作品を展示する。来館者の感想や色柄の好みなどを作家にフィードバックし、品質向上や商品改良に役立てる。
 「声を掛けたすべての作家さんが賛同してくれたのがうれしかった」と桃井さん。今後も賛同する工房や作家があれば出品を受け付ける予定で、「雲火焼と赤穂緞通の両方のすばらしさを発信していきたい」と気持ちを新たにしている。
 新年は1月6日(土)から午前10時〜午後4時開館。火曜休館。入館無料。Tel56・9933。

(赤穂緞通のアンテナショップを開設する桃井香子さん=2列目右端=と作家のみなさん)

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer