赤穂民報

定住自立圏に決定も「中心市」は備前市(10月28日)

 国が地方再生の一手段として具体化を目指している「定住自立圏構想」の先行実施団体18圏域が28日、総務省から発表され、赤穂市、備前市、上郡町の2市1町がその一つに選ばれた。国を交えた協議の結果、構想の核となる「中心市」は備前市へ変更。一連の手続きを主導してきた赤穂市にとっては当初の思惑が外れた形で、議会筋からは「ただでさえメリットがあるかどうかわからないのに、これで一層先が見えなくなった」と懸念する声が上がっている。
 定住自立圏構想は複数の市町村が協力して地域活性化を図ることを目的に国が提唱。「人口5万人以上、昼夜間人口比率1以上」を中心市の要件とし、同省が仕組みづくりへの意見を聞くために8月末まで「先行実施団体」を募集し、年内を目途に仕組みの要綱を策定。「遅くとも平成21年度内に協定の締結を目指す」(同省)としている。
 赤穂市は今年7月に京都で行われた国の説明会に参加。8月初旬に周辺自治体に連携を打診した。「今のところメリットがわからない」(相生市)、「合併に伴う課題解決を優先したい」(佐用町)と断られた自治体もあったが、備前市と上郡町の賛同を得ることができ、▽医療の連携▽学校給食施設の広域利用▽観光振興―などを取り組み内容として応募した。
 応募時は赤穂市を中心市とする案で名乗りを上げたが、赤穂市の昼夜間人口比率(0・952)が要件に満たないことに国が難色。赤穂市は備前市と2市を中心市とする折衷案を提示したが、「備前市を中心市とする」との同省案に押し切られた。
 備前市は、昼夜間人口比率は1・018で要件をクリアするものの、人口は4万人台。同省は本紙の取材に対し、「人の集積を示す指標としては人口よりも昼夜間人口比率を重視すべき」と答えた。
 市は同日、議会各会派に結果を報告。ある市議は「赤穂が中心市、というので応募に賛成したのに」と戸惑いを隠さない。
 中心市を備前市に譲ったことについて市は、「立場にこだわるよりも、まずは先行実施団体に選ばれることを優先した」(企画課)と妥協した理由を説明。「赤穂市が実質的な中心市としての役割を果たしていくことは両市町の了解済み」と理解を求めたが、別の市議は「周辺市になることについて議会への相談はなかった。市の暴走と言わざるをえない」と進め方についても批判しており、今後の成り行きによっては大きな問題となる恐れをはらんでいる。

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