赤穂民報

【読者の声】ストーブのない中学校の改善を(2月10日)

 私の子供が通う中学校には、教室に暖房も加湿器もなく、インフルエンザウイルスが蔓延した「人混み」ともいえる環境で勉強しています。
 生徒は皆、寒い思い(特にスカートの女子生徒)をしながら教室で過ごしますが、職員室は暖房が効いている環境と聞いており、「先生ばかり不公平だ」と子供が嘆いています。また教室が寒くては、手指が冷えますし、集中力も低下しがちになると思います。一保護者として、教育環境の早急な改善を強く要望します。(赤穂市民の保護者A)
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 市教委に確認したところ、赤穂中、赤穂西中、赤穂東中の普通教室には暖房設備(ストーブまたはエアコン)が配備されていないことがわかった。
 3中学校の普通教室にストーブがない理由や経緯については、「はっきりしたことはわからない」(市教委総務課)とのこと。ある学校関係者は「南部の中学校は切迫した寒さがないからではないか」と話した。
 なお、職員室はすべての学校園でエアコンが配備されていた。
 加湿器については、小・中学校は「市教委が予算をとって一括購入したことはないが、各学校園が『管理備品費』で購入するなどしたものがあるかもしれない」(同課)といい、例えば、赤穂西小学校と御崎小学校は加湿器が各教室に配備されていた。御崎小ではPTAバザーの収益を活用して、古くなった加湿器の買い換えを進めているという。
 幼稚園は、すべての保育室に配備済みで、「預かり保育に使用する部屋は空気清浄機能付きの加湿器(1台2万円台〜5万円台)を配備するように進めている」(市教委こども育成課)ことがわかった。なお、現在市内学校園に設置されているストーブは天蓋が熱くならないタイプで、ストーブにやかんをかけて加湿器代わりにはできない。
 学校施設の環境をめぐっては、昨年9月議会でも夏季の熱中症対策の観点からエアコン設置の必要性について一般質問があり、市当局が「必要性は認識している」「設置の概算費用などについて調査したい」などと答弁した。しかし、「現状把握のための気温と湿度の計測に向けて検討を進めている」という段階で、設置が実現する時期の目途は立っていない。
 市教委は、「ストーブの配備については、学校や保護者からの要望があれば検討はするが、これまでに要望はない。ただ、要望があったとしても、一度に配備することは予算的に難しいのではないか」と話している。本紙は「少子化による学級数減少で余っているストーブがあるのでは」と質問したが、「故障で使えなくなるものが多く、余りはない」らしい。
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赤穂民報より
 ストーブが配備されていない中学校の教室で本紙が気温を測定したところ、午前10時ごろで約12度〜14度でした。体感的には、手足の冷えを感じるほどの寒さではないと思いました。ただ、学校が同じ日の1時間目に行った測定では、「7度〜9度」だったそうです。
 文部科学省が定めた「学校環境衛生基準」は、教室(普通教室だけでなく特別教室、職員室も含む)の「望ましい環境」として「気温10〜30度、湿度30〜80%」としています。さらには、「児童生徒等に生理的、心理的に負担をかけない最も学習に望ましい条件」として「冬期で18〜20度、夏期で25〜28度程度」としていますが、いずれも義務ではありません。
 一方、職場の衛生基準を定めた「事務所衛生基準規則」は労働者が常時就業する室の気温について、「10度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない」と定めており、規定に違反すれば「懲役6カ月以下、または罰金50万円以下」の罰則があります。
 労働基準監督署によると、「職員室だけでなく、教室も『労働者が常時就業する室』に該当すると思われる。公立学校であれば、監督権限はその自治体の人事委員会(公平委員会)にある」とのことでした。
 文部科学省が全国の公立学校を対象に調査した冷房設備(エアコン)の設置状況では、平成29年4月時点で小・中学校は41・7%、幼稚園は58・3%となっています。しかし、ストーブなどの暖房設備の設置状況については「調査していないのでわからない」(同省)とのことでした。
 近隣自治体では相生市が赤穂市と同じく南部の2中学校にはストーブの配備がありませんでした。備前市は昨年度までにすべての小・中学校にエアコンの設置を完了し、「夏期はエアコン、冬期はストーブを使っている」とのことです。

(小・中学校における冷暖房設備設置状況)

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