赤穂民報

16世紀の実話の絵本(4月21日)

 ポルトガル人によって、種子島に鉄砲が伝わったとされるのが1543年です。そして、ザビエルが鹿児島にキリスト教を伝えたのが1549年です。
 まさに、16世紀は、激動の時代であり、日本人の意識は大きく揺り動かされました。それがやがて南蛮貿易へと発展していくのです。
 一人のポルトガルの男は、ごちゃごちゃした社会から逃げだし、孤独の暮らしを望んでいました。
 船が大西洋の孤島のセントヘレナの沖にさしかかった時、男は海に飛び込み、岩だらけの島にたどり着きました。
 男は、洞穴で暮らした。
 ある朝、一袋のもみ米と一羽のおんどりが打ち上げられていた。
 男は、死にかけたおんどりを生き返らせ米をまいた。
 ある日、海が荒れ、一隻の船が島へ流れ着く。船員たちは、育っている稲を刈り取り、一本のレモンの木を残して帰っていった。
 この話が広まると、島の近くを通る船は、人が住んでいるのかもしれないと、バナナやパイナップルなどの果樹などめんどりやヤギなどの家畜を残していった。
 岩だらけの島が緑豊かな島になった…。
 さて、孤独で暮らしたいと願っていた男の暮らしは、これからどうなるのでしょうか…?
 コロンブスのアメリカ発見に見られるように、大航海時代の人々の心を揺り動かしたものはなんだったのでしょうか…ね。
 絵本の魔力と魅力に引き込まれました。
  * * *
 『はるかな島』○文/ダイアン・ホフマイアー○絵/ジュード・ダリー○訳/片岡しのぶ○光村教育図書

(『はるかな島』 ○文/ダイアン・ホフマイアー ○絵/ジュード・ダリー ○訳/片岡しのぶ ○光村教育図書)

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