赤穂民報
関福大リレーコラム・がんは慢性疾患(6月16日)
今、がんになる人は2人に一人、がんで亡くなる人は3人に一人といわれています。治療法を選ぶ時には、信頼できる医療職に出会えることが一番ですが、より正確な新しい情報を得ることが悔いのない選択につながります。
セカンドオピニオンとして他の病院へ行く方法も勧められています。ご自分で調べられる方はインターネットから調べてはいかがでしょう。以前より、根拠のあるホームページが上位に出るようになっています。特に「国立がん研究センター がん情報サービス」は、お勧めです。
私は、いろいろな治療法を提示された時は、医師に「先生の(同じくらいの年代・関係の)ご家族だったら、どの治療法を選びますか」と尋ねるようにしています。実際はご本人の意向や、体力も違ったりするので手術、抗がん剤・放射線治療、緩和医療かとても悩むでしょう。
がん患者のうち、3人に一人は就労年齢といわれています。がん診断後5年の生存率は年々上昇し、近年は6割以上で、がんによっては最も早期だとほぼ100%近い数字です。しかし、がんと医師から知らされると、自営でない勤務している方では、すぐに仕事をやめる割合が3割(2013年調査)にのぼるそうです。これを防ぐために、仕事を持ったままでも治療は受けられることを意識した説明や声かけに、病院も力を入れはじめています。案内もあると思いますが、医師からがんと言われたら、病院内の「がん相談支援センター」を訪ねてみてください。看護師やソーシャルワーカーが話を聞いてくれます。
対象疾患はがんだけではありませんが、病気になっても働きながら治療を受けられ、さらに家族がなった場合でも仕事が続けられるように、厚生労働省も様々な施策を打ち出しています。たとえば、仕事上どれくらいの配慮が必要か、本人の同意を得て病院と職場が情報交換する等の「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」ができています。(看護学部教授・川西千惠美)
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次回は教育学部の中谷昭教授です。お楽しみに!
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