赤穂民報

花嫁も瀬戸内もきらめいて「坂越の嫁入り」(10月29日)

 かつて新婦が舟で輿入れした地域の風習にちなんだ結婚式が坂越の大避神社で28日にあり、うららかな日和の中、白無垢の花嫁が和船に乗って嫁ぎ、厳かに挙式した。
 海に面して集落が拓けた坂越地区では、古くは細く険しい峠道を避けて海路から花嫁を迎えたという。2年前に市民有志の実行委員会が再現。それを知った神戸市内のブライダル企画会社が「一生の思い出となる結婚式にふさわしい」と事業化し、第1号となる新郎新婦を公募した。
 記念すべき最初のカップルとなったのは姫路市網干区の田中槙悟さん(24)・郁さん(24)。今年2月に入籍したが仕事や転居で慌ただしく、式を挙げていなかった。新郎の母の勧めで郁さんが応募し、抽選で選ばれた。
 郁さんと両親を乗せた和船は船頭の手漕ぎでゆったりと湾内を巡航。浜で出迎えた槙悟さんと人力車で神社へと向かった。道中には地域住民が手書きした祝福の横断幕がかかり、風情ある光景を撮影しようと集まった大勢のアマチュア写真家たちがシャッターを切る中、2人は笑顔を振りまいた。
 式を終え、2人は「たくさんのみなさんに祝ってもらえて、ただただ感謝。すばらしい景色と人の温かさ。世界でここだけの結婚式になりました」と感激に浸った。

(海面きらめく坂越浦を和船で輿入れした「坂越の嫁入り」)

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer