赤穂民報

関福大リレーコラム・子どもの輝きを目指して(12月1日)

 赤穂市に四月に引っ越して八カ月が過ぎました。四季の変化をこんなにも色で感じられる街。「もっと赤穂市民になりたい」と思い、私は三つのことをしました。
 一つ目は、朝からのごみ拾い散歩です。初めは勇気がいりましたが、きれいになった散歩道に愛着が深まりました。
 二つ目は、赤穂市民文化祭に彫刻作品を出品したことです。展示された自分の名札には「赤穂市」と書かれており、これもまた赤穂市民になれた気がしました。
 三つ目は、塩屋公民館祭りに水彩画を出品したことです。作品の展示作業では地元の方々にたくさんお声かけを頂きました。また、幼児から大人まで幅広い年齢層の力作が体育館にひしめき合い、これもまた、赤穂市民に一歩なれた気持ちになりました。
 私は、関西福祉大学教育学部の教員養成課程で図画工作科を担当しています。
 図画工作は、心がはちきれるほどワクワクする体験にもなり得ます。そうなるための手ほどきとして、完成形を見せずに、活動が広がるための「きっかけ」を示すこと。例えば、写真にあるように、段ボール箱の3辺に切り込みを入れ、口のようにパクパクと動かせて見せ、「何に見えるかな?」と問うだけです。「恐竜!」「犬!」となったらもう始まりです。「恐竜ってどんな?」と調べたくなる。目や表皮の色、舌も付けて牙も付けよう!とワクワクは止まりません。しかし、必ず問題も起こってきます。それは、箱と恐竜の形に違いを感じた時です。そこに、「じゃあこうしたらいいかも!」と追加の案が出てきます。こうした探究活動が子どもを輝かせるのではないでしょうか。
 このように、図画工作には、体の芯から制作に没頭したり、自分の考えで作る「手ごたえ」を実感するよさがあります。
 今から赤穂での初めての冬が来ます。色々なことを新鮮な見方に変えてくれた赤穂で、学生や子どもたち、地域の方々と様々なチャレンジができたらと願っています。(教育学部講師・金子美里)
   * * *
 次回は教育学部児童教育学科の服部紗代子助教です。お楽しみに!

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