赤穂民報

工事で撤去予定の桜残したい(2月23日)

 尾崎の市道拡幅整備に伴って除去される桜を挿し木にして残そうと、地元まちづくりグループ「尾崎のまちを考える会」(目木敏明会長)が計画を立てている。
 挿し木苗を育てて別の公園や公共施設に移植するプランで、同会は「地元住民にとって愛着のある桜を後生に残したい」と話している。
 赤穂八幡宮の向かいにある宮前児童遊園。公園が整備された昭和57年前後に植樹されたとみられる高さ8メートルほどのソメイヨシノが3本植わっている。市によると、市道赤穂大橋線の拡幅で公園の一部が車道や歩道になることから3本のうち道路寄りの2本を伐採せざるを得ず、「今年夏ごろに除去する予定」だという。
 近所で生まれ育った同会理事の小國信一さん(51)は子どもの頃から見慣れた桜が取り除かれることを知り、「移植できないものか」と同級生で造園業を営む頭巾喜和さん(51)に相談した。頭巾さんは「すでに樹齢を重ねているので移植は難しいけれど、挿し木にして増やすことはできる」と提案。目木会長も賛同し、尾崎地区まちづくり連絡協議会のバックアップも得られる見通しになった。
 挿し木は増やしたい植物の若い枝を切り取り、土に挿して増やす方法。うまくいけば、親木と同じ性質を持った、いわゆる「クローン」を育てることができる。
 来月上旬にも頭巾さんが挿し木に適した枝を採取し、ポット鉢で育苗を始める。順調に育てば秋に植木鉢に植え替え、さらに2〜3年後に人の背丈ほどまで成長した段階で地面に移植できるという。
 「伐採されてしまうと聞いて悲しい気持ちになっていましたが、未来につながる可能性に希望が持てました」と小國さん。頭巾さんは「自分にとっても愛着のある桜なので、うまくいくようにしっかり作業したい」と意気込んでいる。

(市道拡幅整備に伴う伐採を前に挿し木が計画されているソメイヨシノ)

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