赤穂民報
【社説】有害無益な条例なら作らないほうがよい(11月29日)
赤穂市議会の「議会活性化検討協議会」で検討中の「政治倫理条例案」の骨子がほぼ出揃ってきた。「条例のメーン」と位置付けられる「市の工事等に関する遵守事項」の内容にいささか不安を感じるので指摘しておきたい。
地方自治法は、議員がその地位を利用して自分の利益を図るのを未然に防ぐために、勤務先自治体との請負契約を禁じているが、妻や子が経営する法人については規制がなく、各自治体が独自に条例を制定。赤穂市議会の取り組みもそれにならおうとするものだ。
協議会では、「市との請負契約を辞退するように努力する」対象として、「配偶者または2親等以内の親族が経営する企業」と「議員が実質的経営に携わっている企業」を条例案に盛り込む方向だ。
ここで気になるのは、「議員が実質的経営に携わっている企業」の定義を、「(1)資本金を3分の1以上出資(2)年額300万円以上の報酬受領(3)経営への直接関与-の3つすべてに該当する場合」としている点だ。そのまま読めば、例えば、「出資が3分の1未満なら、報酬をいくらもらっても、また、直接経営に関与しても構わない」ということになる。
そもそも、現在検討中の条例案には罰則は予定しておらず、あくまでも「努力規定」。それを平気で踏み倒すような厚顔無恥な人物には歯止めにならないのではないか。
条例が骨子のとおり制定されれば、議員の親子はもちろん、兄弟姉妹、祖父母、孫まで市の仕事を請け負うことはできなくなる。「親戚には迷惑はかけられない」と議員になることをあきらめる人もあるだろう。
悪意のある者には抜け道がこっそり用意され、意欲を持って市政に参加しようとする人にとってはバリケードとなるような条例なら作るべきではない。
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