赤穂民報
赤穂を観光訪問しない理由「何があるかわからない」(5月11日)
赤穂市が実施した観光マーケティング調査で、「赤穂市を知っているけれど観光に訪れたことはない」という人に理由を尋ねたところ、「何があるかわからない」と答えた人が最も多かったことがわかった。
市は「『観光地でない』というイメージを持たれてしまっている」とし、このほど策定した「赤穂観光アクションプログラム」のテーマの一つに「観光地としてのイメージ醸成」を掲げた。
調査は昨年8月から10月、旅行情報誌『じゃらん』傘下のインターネットリサーチ会社に委託して実施した。「今後ターゲットとなりうる対象地域」としてピックアップした大阪、兵庫、東京、愛知など12都府県に居住する成人1052人から回答を得た。
その結果、赤穂市を一度も訪問したことのない人は82%。その理由(複数回答可)として、「何があるかわからない」が23%。「遠いから」(21%)、「興味あるものがない」(16%)、「温泉イメージがない」(11%)、「観光地でない」(10%)が上位だった。「車でないと不便なイメージがあった」(10%)、「行き方がわからない」(7%)、「アクセス方法がわかりにくい」(6%)などアクセス情報の周知不足も目立った。
赤穂市の主な観光資源27件について興味度を尋ねた調査では、(1)赤穂温泉(76%)(2)坂越の牡蠣(64%)(3)赤穂の塩(63%)(4)赤穂塩ラーメン(63%)(5)海の駅しおさい市場(61%)がベスト5。赤穂最大の観光イベントといえる「赤穂義士祭」は46%にとどまった。
市はこれらの調査結果を基に、▽「観光地でない」というイメージを抱かれている▽若年層に魅力あるコンテンツが少ない▽インバウンド向けの情報発信ができていない−などの課題を把握。2019年度から3年間の事業展開を示すアクションプログラムで課題解決の方向性として、(1)観光地としてのイメージ醸成(2)地域資源を磨き上げ観光資源に変える(3)観光PRのあり方改革(4)坂越・御崎地区の魅力向上(5)近隣観光地と連携―の5つを挙げた上で、▽地域食材を活かした“食”の開発▽地域資源を活かした“体験プログラム”の開発▽広域連携によるインバウンド向けPR▽専門アドバイザーの投入―などを行動計画に盛り込んだ。
赤穂観光アクションプログラムは2004年度から3年ごとに策定され、今回で第6次。市は「観光人材の育成を進めるとともに、施策展開に活かすためのデータ(延べ宿泊者数、旅行消費額、来訪者満足度など)の収集も検討したい」(産業観光課)と話している。
調査結果と観光アクションプログラムは市のホームページで公開されている。
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