赤穂民報
むらさきふうせん(5月25日)
赤・黄・青・緑など色とりどりの風船が表紙一面をうめている絵本を手にしました。さぞ楽しい絵本かと思っていたのですが、そうではないのです。
作者のクリス・ラシュカは、「死を意識した子どもは 自分の気持ちを 青や紫のふうせんであらわす」ことからこの絵本が生まれたと述べています。
絵本の書きだしは、
「みんな死をくちにしたがらない。」そして、「わかれも すこし つらくなくなる。」で終わっています。この間、色とりどりの風船と数行の文で綴られている20ページたらずのコンパクトな絵本です。
私は、妻を看病するなかで、やすらかな気持ちで死と向き合ってほしいと考えるようになりました。
この絵本のページをめくるたびにショックを受け、その気持を容易にあらわせなくなっていきました。
多くの絵本を手にするなかで、絵本は人生のバイブルであると考えるようになりました。この絵本を通して、その思いを再認識することができました。
この絵本を子どもたちは、どう受けとめてくれるかな…。そんな思いにかられる絵本です。
一人でも多くの子どもたちがこの絵本を手にしてくれたら…そう願っています。
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『むらさきふうせん』○作/クリス・ラシュカ○訳/谷川俊太郎○BL出版

(『むらさきふうせん』 ○作/クリス・ラシュカ ○訳/谷川俊太郎 ○BL出版)
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