赤穂民報

関福大リレーコラム・外遊びのススメ(5月25日)

 今回から4回シリーズで、ふだんの暮らしの中で子どもの健康増進を図るための方策について考えてみたいと思います。第1回は「子どもの体力(外遊びのススメ)」です。
 体力は、人間のあらゆる活動の源であり、物事に取り組む際の意欲や気力といった精神面の充実にも深く関わり、子どもの健全な成長・発達を支える上で極めて重要なものです。子どもの時期に活発な身体活動を行うことは、スポーツの基礎としての行動体力を高めることはもとより、病気から体を守る防衛体力を強化し、より健康な状態を作っていくことにつながっていきます。
 スポーツ庁が発表した平成29年度の「体力・運動能力調査結果」によれば、青少年(6〜19歳)の場合、ここ数年は全般的に向上する傾向にあるものの、水準の高かった昭和60年頃に比べると、一部の運動種目を除いて依然として低い状態が続いています。
 子どもの体力低下の原因として、生活の夜型化が進み、国民全体が便利で豊かな生活を送る中で、総じて体を動かす機会が減少したことと遊びの質的変化によるところが大きいことが指摘されています。とりわけ、今の子どもたちは、大人数で、戸外で思いっきり体を使って遊ぶ機会が減少しています。鬼ごっこやかくれんぼ、缶けり、コマ回し、メンコなどのいわゆる伝承遊びもほぼ消失しつつあります。
 先述の調査結果では、幼児期に外遊びをよくしていた児童は、日常的によく運動し、体力も高くなると報告しています。つまり、幼児期に外で体を動かして遊ぶ習慣を身につけることが、小学校入学後の運動習慣の基礎を培い、体力の向上につながる要因の一つになると考えられます。
 そこで提案です。家庭や地域で、子どもが外遊びのおもしろさを体験できる場を少しずつ増やしていきましょう。身近なところから始めるのがポイントです。かくれんぼやボール遊び、フープ遊びや自転車乗りなど、お父さん、お母さんが子どもの頃に大好きだった外遊びを、子どもといっしょに、まずは近くの公園で楽しんでみませんか。(服部伸一・教育学部教授)
 * * *
〔おことわり〕今回のコラム執筆者について教育学部児童教育学科の秋川陽一教授を予定しておりましたが、都合により変更となりました。

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