赤穂民報

御崎に地域資源活用区域 ホテル・店舗など可能に(6月22日)

 御崎地区の魅力向上へ向けた土地利用推進を目的に、兵庫県は赤穂市からの申出を受け、同地区の市街化調整区域の一部について一定規模以下の宿泊施設や飲食店などを建築できる地域資源活用区域に指定。18日に告示した。

 市は「制度を活用して民間活力を誘致し、観光振興と地域活性化につなげたい」としている。

 瀬戸内海国立公園のエリアに位置する御崎地区は赤穂温泉や国名勝の田淵氏庭園、桜の名所などがあり、赤穂の主な観光地の一つ。一方、地区内の空き家率は5・90%(2016年調査)で、市内9地区で最も高い。その中には比較的大規模な建物や遊休地もあるが、市街化調整区域の建築制限によって利活用が進まない状況が続いていた。

 県の特別指定区域制度は2002年に創設され、赤穂市内では08年に地縁者の住宅に限り建築を許容する区域が指定された。4年前に対象が拡充されたのを受け、市は御崎地区の地域資源活用区域についてプランを作成。地元自治会への説明会や計画の縦覧を経て今年4月に県へ区域案を申し出た。土砂災害や高潮の災害想定区域と重なって指定が認められなかった一部の範囲を除き、ほぼ市の計画どおりに指定された。

 今回指定された区域は、御崎の温泉旅館街から東御崎展望台にかけての観光道路沿いに点在する合計約9・7ヘクタールで、▽一般型(3・7ヘクタール)▽観光拠点型(3・8ヘクタール)▽複合型(2・2ヘクタール)の3つのタイプがある。

 いずれも▽飲食店▽自家販売のパン家、菓子屋等▽ホテル、旅館▽公衆浴場▽アトリエ、工房▽赤穂市に関連する土産物販売店▽休憩所―の建築が可能で、一般型は延べ面積500平方メートル以下であることが条件。観光拠点型は宿泊施設と市内生産品の売場を常設する店舗に限り1500平方メートルまで認める。複合型は280平方メートル以下に制限されるが一戸建て住宅と飲食店などとの兼用住宅も建築できる。

 また、区域内に既存する建築物に限り、要件面積を超えて用途変更を認める特例も。例えば、企業の保養所だった建物をホテルに衣替えして営業することも可能になる。市によると、今回指定された区域には、かつて保養所だった建物が5軒ほどあるという。

 御崎地区では赤穂海浜公園と温泉街をつなぐ周遊ルート「あこう元禄“しお”回廊」を市が整備中で、今年3月に改定した「赤穂観光アクションプログラム」でも坂越地区と並んで観光振興対策の重点地域に位置付けられた。牟礼正稔市長は「宿泊施設や飲食店などが増えれば観光地としてのイメージアップと活性化につながる」と指定を歓迎。「交流人口の倍増と宿泊者数30万人以上を目指したい。成果によっては有年や高雄、福浦などへの導入も検討したい」と拡充も視野に入れた。

 区域内での建築や用途変更は市を通じて県に申請する。問い合わせは市都市整備課Tel43・6827(建築係)まで。

(御崎地区の地域資源活用区域指定で地域活性化に期待を寄せる牟礼正稔市長)

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