赤穂民報

関福大リレーコラム・ラジオ体操のススメ(7月6日)

 「新しい朝が来た。希望の朝が…」というまさに一日の始まりにふさわしい、元気いっぱいのフレーズで始まるラジオ体操。皆さんにとって、子どもの頃、夏休みになるとスタンプカードを首にぶら下げて町内の広場や路地などに集まり、ラジオ体操をしたことが懐かしい思い出になっているのではないでしょうか。
 ラジオ体操が始まったのは1928(昭和3)年11月、東京中央放送局から「国民保健体操」という名で放送されたのが最初でした。戦後の中断期を経て、現在では、「ラジオ体操第一・第二」に「みんなの体操」が加えられて、90年以上続く国民的体操に発展しています。
 ラジオ体操は第一と第二それぞれ13種類の動きで構成されており、「曲げる」「伸ばす」「ねじる」「そらす」などの動作を行うことで、全身の筋肉(約400種類)のほとんどを使うようにできています。そもそも人の筋肉は、日常生活では3割程度、肉体労働でも5割程度しか使われません。使わずにいる筋肉は当然衰えていきますし、関節の可動範囲もどんどん狭くなっていきます。筋肉や関節を短時間のうちに効果的に動かすのがラジオ体操の目的です。老化防止と体力の向上には欠かせない運動といえます。
 ラジオ体操を行うときのコツは、恥ずかしがらず、伸び伸びと体を大きく動かすことです。始めは痛くて思い通りに動かなくても、毎日続けていれば筋肉は少しずつ弾力性を取り戻します。今どこの筋肉を伸ばそうとしているのか、運動の目的を意識しながら体操をすると、よりいっそう効果が高くなります。
 また、朝のラジオ体操には、体を目覚めさせる効果があり、事故やけがの防止にもなります。午後は疲労回復やリフレッシュとして取り入れましょう。夜は寝る前2〜3時間前に軽く体を動かすと適度な疲れでぐっすり眠れます。
 ラジオ体操の効果を再認識し、夏休みの期間だけではなく、皆さんの暮らしの中に無理なく取り入れてみませんか。毎日継続することで「運動の習慣化」につながりますよ。(服部伸一・教育学部教授)
   * * *
 次回は教育学部児童教育学科の小野間正巳教授が担当します。お楽しみに!

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