赤穂民報

小学生たちお手柄 転倒負傷の独居老人救助(12月25日)

 東有年はりま台で24日、自宅庭で転んでけがをして起き上がれなくなっていた一人暮らし高齢者を地域の小学生たちが協力して救助。救急隊に引き継いだ。
 有年小6年の高本玲桜(れお)君(11)は同日午前11時40分ごろ、終業式を終えて妹の紗彩(さあや)さん(8)=同2年=、仲の良い田中蓮太君(11)=同5年=・結音(ゆうね)さん(7)=同1年=兄妹と4人で下校中、「助けてー」という小さな声が聞こえるのに気付いた。
 耳を澄まして声がする先を探すと、民家の植え込みの向こうに人が倒れているのが見えた。近づくと、高齢の女性が地面に突っ伏すように倒れているのがわかった。顔は付着した土で汚れていたという。
 田中君は119番通報をしてもらおうと大人がいるところまでダッシュ。さらに近くの喫茶店にタオルをもらいに走った。その間、高本君ら3人は「大丈夫ですか」と声を掛けて励ました。そこに田中君と同級生の是信風愛(ふうあ)さん(11)が通りがかり、地区の民生委員を務める祖母を呼びに行った。
 女性は91歳で一人暮らし。プランターにつまづいて転んでから30分以上が経過し、体が冷えて声が出しづらい状態に陥っていたという。女性は搬送先の病院で打撲傷と診断され、その日のうちに帰宅できた。「もし、あの子たちが見つけてくれてなかったら、どうなっていたか。本当にありがとう」と何度も感謝を口にしたという。
 「倒れている人がいたら、すぐに大人に知らせると学校の救急教室で教わった」と高本君。一生懸命手を振って救急車を誘導した是信さんは「早く助けてあげないと、という気持ちで精一杯でした」と振り返った。
 はりま台自治会の望月守代会長によると、同地区ではあいさつ運動が盛んで、日頃から大人と子どもが「おかえりー」「ただいまー」と声を掛け合う関係があるという。望月会長は「地域の結びつきがスムーズな救助につながったのだと思います。おばあちゃんを助けようと頑張る子どもたちの姿は涙が出るほどうれしかった」と話した。

(転んだおばあさんを協力して救助した=右から=高本玲桜君、田中蓮太君、高本紗彩さん、田中結音さん、是信風愛さん)

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer