赤穂民報

「国内最高技術の石積み」赤穂城の櫓台(1月20日)

 国史跡の赤穂城跡を専門家のガイドで巡る見学会が19日にあり、歴史ファン約40人が参加。近世城郭史に詳しい三浦正幸氏(広島大学名誉教授)の解説で縄張の設計や石垣の構造などを見て回った。
 三浦氏は名古屋城や岡山城などの保存整備委員を務め、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の建築考証を担当。日本城郭研究の第一人者として知られる。
 この日は大手門前から二の丸、本丸を歩きながら、赤穂城の復元整備計画にも携わった三浦氏が随所でトーク。敵を弓矢や鉄砲で撃退する狭間(さま)を一つでも多く設けるために複雑に入り組ませた城郭や国内唯一の舟入の枡形、軍学者の山鹿素行が手直ししたという二の丸門横の石垣など見どころを説明した。参加者らはわかりやすい解説に熱心に耳を傾けた。
 「複雑な石垣にするために大変手間のかかる石の加工を施しており、石工はとても苦労したはず」と三浦氏。また、櫓台の石積みは「敵が登りにくい傾斜をつけるために国内最高の技術が用いられている」という。その一方で、本丸防御の要とするべき櫓門は侵入する敵を階上から弓で射ようとしても当たらない角度になっており、「当時は戦乱が終わって半世紀が過ぎていた。理想の縄張を追求したものの、実戦を知らないがゆえに実用的でない箇所もできてしまったのでは」と推測した。
 見学会はJR西日本のキャンペーン「ちょこっと関西歴史たび『忠臣蔵のルーツ 赤穂』」の特別企画として企画。2月末まで「赤穂城跡の秘密探訪」と題し、赤穂市教委学芸員の案内で毎週水曜日午後1時〜3時に実施される。参加無料で各回先着30人を募集中。申し込みは赤穂観光協会Tel42・2602。

(専門家による詳しい解説が好評だった赤穂城跡見学会)

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