赤穂民報

高取峠トンネル化 4種類のルート候補案(2月22日)

 赤穂と相生を結ぶ高取峠(国道250号)のトンネル化について、赤穂市は17日、4通りのルート候補案を公表した。
 トンネル整備の長さは案によって約1・3キロ〜3・6キロと異なり、概算事業費は約86億円〜153億円と倍近い開きがあるが、トンネル化によって得られる時間短縮効果は4案とも大差はないという。市は比較的コストの低い2つの案でより詳細に費用対効果を検証し、候補の絞り込みを進める。
 ルート候補案は幅員9メートル(片側1車線、歩道なし)のトンネルを整備する前提で、市から業務委託を受けた土木コンサルタント会社が作成。トンネル出入り口の位置を変え、▽第1案(トンネルの割合が約75%)▽第2案(約70%)▽第3案(約60%)▽第4案(約30%)の4種類をシミュレートした。
 概算事業費の比較では、トンネルの距離が長いほど高額となり、第1案が最も高く約153億円。ルートの約7割を現道改良で済ませる第4案が最も低く約86億円となった。一方、現在の高取峠(全長4990メートル)で平均7分19秒かかる通過所要時間の比較では、第1案と第4案はどちらも「5分44秒」で、最も短縮効果があるとされる第2案で「5分35秒」となった。
 この試算を踏まえ、市は17日の市議会幹線道路・河川整備特別委員会で、「第1案と第2案は費用対効果の面で現実的でない」との認識を示した。今後は第3案と第4案に絞った上で国交省の分析マニュアルに基づき、整備によって期待される交通事故減少などの投資効果を検証していく方針を明らかにした。
 一方、市によると県は昨年11月、トンネル化以外の選択肢として現道を20〜30億円かけてカーブの緩やかな峠に改良する方法を市に打診。今夏ごろには県から改良プランの概略が示される見込みという。市は「市が作成したトンネル案と県の現道改良案を比較検討し、最終的な要望をまとめることになる」(都市整備課計画係)と話している。

(赤穂市が公表した資料を基に赤穂民報が作成。トンネル区間を点線で示している)

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