赤穂民報

「赤穂からおいしいフルーツを」若者2人が新規就農(4月4日)

 赤穂の地で果樹園経営を目指そうと、兵庫県立農業大学校出身の若者2人が大津に移住。地元の農地を借り、耕作を始めた。
 完熟で収穫出来るように栽培方法を工夫して差別化、ブランド化を図り、5年後の農業法人化を目指すといい、「赤穂からおいしいフルーツを消費者に届けたい」と夢を描いている。
 神戸市北区出身の小川敬生(としお)さん(27)と加古川市尾上町出身の榊原昂輝(こうき)さん(27)は、ともに子どものころから農業を志し、加西市の県立農業大学校で学んだ同期。小川さんは肥料メーカー、榊原さんは農機具販売会社に就職したが、就農への夢を捨てきれず脱サラ。兵庫県内の自治体を訪問し、起業に適した候補地を探した。
 一昨年秋に赤穂市役所を訪れた際、応対した職員から大津のベテラン農家グループ「大津年輪の会」の旧林茂存会長(80)と新田でミカン農家を営む浮田康男さん(71)・和子さん(73)夫妻を紹介された。将来の夢を熱く語る2人に旧林さんは大津地区で借りることのできる農地と一戸建て空き家を仲介。浮田さんは果樹経営の経験をアドバイスするとともに、「果樹栽培の体験と当面の収入になれば」とミカン畑の収穫の仕事を斡旋した。
 「初めて会っただけなのに、ここまで親切にしていただいて、ありがたさが身にしみた」と小川さん。当初は人口の多い京阪神方面へ出荷しやすい場所を希望していたが、「自分たちが農業をやるのはここだと。ここでやらせてほしいと思いました」(榊原さん)と赤穂への移住を決心したという。
 借りた農地は合計約1ヘクタール。ここ数年使われていなかった土地もあり、昨秋から地元農家が貸してくれた小型ショベルで耕した。まず、そのうち160アールにブドウ、モモ、ミカンの若木計400本を植え付けた。順調ならこの夏から収穫できるものもあるという。
 「準備が8割、行動2割」が信条という小川さんが経営プランを立案し、山岳マラソンで鍛えた体力が自慢の榊原さんが圃場管理に責任を持つ。「これからいろいろ苦労や困難はあると思うけれど、2人で力を合わせて頑張る」と意気込んでいる。

(赤穂で新規就農した榊原昂輝さん(右)と小川敬生さん)

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