赤穂民報

補正予算案可決 早くも迫られる追加策(5月23日)

 赤穂市議会は22日、新型コロナウイルス対策費を盛り込んだ一般会計補正予算案などを可決した。
 「市民生活及び市内経済活動を支援するため」として、上水道料金を4か月分無料とする支援策も含まれるが、商工関係者からは「経済活動の支援には不十分」などと不評。事業者向けの追加支援策を求める声が高まっている。
 上水道料金の無料化は、一般用料金が適用される使用者約2万2000件を対象に今年7月・9月請求分(または8月・10月請求分)を全額無料(水道使用に伴う下水道使用料は含まず)とするもの。市の試算では必要額は約1億1000万円(うちシステム改修費200万円)で、およそ半分の5600万円を国の交付金で充当し、残りは水道会計の利益剰余金でまかなう。
 市当局は「面倒な申請手続き不要で、幅広く迅速に支援できる」とメリットを強調するが、施策の概要を知った商工関係者の間では「日本一安い水道代を無料にしてもらっても大した支援にはならない」「もっと効果のあるものを期待していたのに」などと不評だ。
 赤穂商工会議所によれば、地域経済に目に見えて効果が波及するような取り組みを補正予算案に盛り込もうと市と協議を進め、「ほぼ内容も固まっていた」という。幹部の一人は「ふたを開けてみると何もなかったので本当にがっかりした」と失望を隠さない。市単独の経営継続支援金制度や消費喚起事業などを求める要望書を急きょ市に提出したという。
 こうした声を受けて、22日の臨時議会では家入時治議員が水道会計補正予算案に「反対」を表明。上水道料金無料化のために使う交付金5600万円について、「事業継続が危ぶまれる事業者を集中的に支援するために活用するべき」などと訴えた。議長輩出会派の代表でもある議員の造反は極めて異例で、議案は賛成多数で可決されたものの一石を投じた形となった。
 牟礼正稔市長は議会終了後、赤穂民報の取材に、「さまざまな声があることは率直に受け止めたい。特別職と議員の期末手当削減分に県の補助も組み合わせ、6月議会(6月9日開会予定)に市単独の地域経済支援策を上程する。国の追加補正が決まれば、さらに施策を拡充追加できるように準備する」と語った。
 議案を採決は会期最終日の本会議で行われるのが通例だが、それだと6月25日(予定)まで予算執行できない。市当局と議会の双方に臨機応変な対応が求められる。

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer