赤穂民報

「大吟醸 忠臣蔵」など2銘柄 GI認定(7月4日)

 国が飲食品の産地を地域ブランドに指定する地理的表示(GI)保護制度で、播州地方22市町が日本酒産地「はりま」として指定されたことを受け、赤穂市内唯一の造り酒屋の奥藤商事=坂越=もGI表示を認定された。
 4酒造組合28社でつくる「はりま酒研究会」が国税庁に申請し、今年3月に指定された。域内で造られた日本酒のうち、兵庫県産山田錦や地元の水を原料とし、豊かな香味のふくらみ、心地よい酸味と軽快な後味を持つなど条件を満たしたものに限り、GIの使用を許可する。日本酒では国内5例目で、兵庫県内では「灘五郷」に続く認定となった。
 同研究会はGI指定を受けて5月に審査会を実施。味や香りが基準を満たしているか専門家による検査と分析を経て、52点が「はりまの酒」として名乗ることを認められた。奥藤商事は「大吟醸 忠臣蔵」「忠臣蔵 純米吟醸47(キャトルセット)」の2銘柄を出品し、いずれも合格した。
 今後はGI認定銘柄であることを示すステッカーを瓶に貼って販売する。奥藤利文社長(62)は「この酒なら間違いない、と安心してもらえる証。日本酒全体の地位が海外でも高まることにつながれば」と効果を期待している。
 GI制度をめぐっては、赤穂市が牡蠣、みかんといった地元産品の認定を目指して準備している。
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赤穂塩で調味「酒蔵の粕漬」
 坂越の奥藤商事で自社の酒粕を使って漬け込んだ「酒蔵の粕漬」が販売されている。
 最近は手に入りにくくなった国産の瓜だけを使用。吟醸酒を絞ったあとに残る上質の酒粕を惜しみなくふんだんに漬け込み、みりん、砂糖、赤穂産の塩で味付けた。
 10年ほど前から製造し、口コミで広まって年々販売量が増えているという。毎年6月から8月にかけて仕込み、酒蔵の中で熟成させる。1年ほど経った夏ごろが「ちょうどほどよい漬かり具合」になるため、この時期によく売れるという。
 「年明けに出る新物のシャキシャキした食感を好むお客さんもおられますが、この時期のものが風味がある」と同社。日本酒のあてに相性は抜群で、細かく刻んでお茶漬けにすれば食欲のない夏でもごはんが進むという。
 1袋550円で同社(TEL48・8005)のほか、赤穂パークホテル、フォーティセブンリカーズ、鈴吉屋、ヴァンティーム・マトノで販売している。売り切れ次第終了。

(GI「はりまの酒」に認定された「大吟醸 忠臣蔵」)

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