赤穂民報

「極小カブトムシ」の正体は「森の掃除係」(9月13日)

 「見たことのないとても小さなカブトムシを見つけました。もしかしたら新種では」と有年原のOさん(88)が電話で知らせてくれた。指先ほどの大きさで生きているという。さっそく見に行った。
 測ってみると体長約1・5センチ。頭部から上向きに一本の角が伸び、背中に4つの突起がある。Oさんの話では、水を抜いたかめの中にいたという。果たして本当に新種なのか。昆虫に詳しい姫路科学館の高橋康範館長に写真を見てもらった。
 「写真を見た限りですが、これはゴホンダイコクコガネだと思います」
 高橋館長によると、ゴホンダイコクコガネは甲虫であるカブトムシのなかまでコガネムシ上科。オスの頭部には立派な角があり、胸部の背中側にある4つの突起と合わせて5本の角のように見えることからその名があるという。4月から10月にかけて北海道から九州まで見られる。
 シカなど野生動物の糞を食べて分解する「糞虫」の一種で、森をきれいにするとともに糞を植物が利用しやすい形にするのに役立っているという。奈良公園では1000頭を超えるシカが毎日1トンの糞を出すといわれるが、糞虫のはたらきによって人の手で清掃する必要がないという。
 高橋館長は「糞虫のなかまには、十円玉のように光沢のあるオオセンチコガネ、きれいな緑色のルリセンチコガネなどもいます。普段は人目につきにくいですが、こうした虫たちにも関心を持ってもらえれば」と話していた。

(人の指先に乗るほどの大きさのゴホンダイコクコガネ。5つの突起が特徴。メスは小さな角が一つある)

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