赤穂民報

御神体を特別公開 藤樹と蕃山の位牌も(10月3日)

 初代姫路藩主の池田輝政を祭神とする備前市八木山の鏡石神社で10月10日(土)、秋の例祭に合わせて御神体の輝政像と神主堂が特別公開される。
 郷土史家の竹内良雄さん(79)=元閑谷学校資料館長=によると、池田家関係の古文書に万治3年(1660)に同神社が造営されたとの記載がある。御神体は八木淨慶という仏師が地元産の蝋石を刻んだもので普段は見ることはできない。境内にある神主堂には「日本陽明学の祖」として称えられる中江藤樹(1608―48)と、その門人で岡山藩政に大きな貢献を果たした熊沢蕃山(1619―91)の神主(儒教式の位牌)が納められている。
 藤樹の神主は、輝政の孫で閑谷学校を開いた初代岡山藩主、池田光政(1609―82)が蕃山の師である藤樹の遺徳を偲ぶために作らせ、岡山城西の丸に設けた厨子に日々香を手向けたという。光政没後に池田家ゆかりの同神社に移された。1990年に蕃山の神主が子孫から託されてからは師弟並んで安置されている。
 神社総代の江見准一さん(70)の話では、地域では昔から「神主堂に礼拝すると頭が良くなる」と言い伝えられ、かつては堂宇の周りを時計回りに回って手を合わせる子どもたちの姿が見られたという。しかし、近年は地元住民でも由来を知る人は少なくなった。郷土の文化財として顕彰しようという機運が総代会を中心に高まり、今年2月の祈年祭で神主堂を初めて一般公開。2度目の公開となる今回は午前9時から正午まで開扉し、11時に神事を行う。
 「公開が郷土の歴史を後世に伝える一助になれば」と江見さん。淨慶の末裔にあたる八木礼子さん(91)は「関心をもっていただけるとありがたい」と話している。
 鏡石神社は山陽自動車道備前インターチェンジの北西約500メートル。当日は神社の南約400メートルに臨時駐車場と仮設トイレあり。神社まで緩やかな未舗装路を上る。問い合わせは江見さんTEL090・3749・3566。

(秋の祭礼に合わせて特別開扉される鏡石神社の神主堂。左奥が拝殿)

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