赤穂民報

第59回赤穂市民文化祭 俳句・短歌入賞者(11月1日)

 
《俳句募集の部ー出句数330句》
▽市長賞
 すず虫の羽ふっくらと鳴き初めし     山谷 友子 (福 浦)

▽議長賞
 奄美の焼酎分厚き手より盃受けて     前田ゆう子 (塩 屋)

▽教育委員会賞
 梅漬くる白寿の母の語る夢        武本 敬子 (南宮町)

▽文化協会賞
 祈る手に一直線の初日かな        嶋田エイ子 (鷏 和)

▽奨励賞
 遺されて手提げに母の絹扇        森木 方美 (塩 屋)
 苗札の漢字かな文字海光る        小島 愛子 (塩 屋)
 銀漢や誰も貧しき戦後経て        奥野美恵子 (新 田)
 笑ひ声転げて来たる路地の春       小倉 信子 (鷏 和)
 秒針の音のひびくや啄木忌        味園 建介 (太子町)
 母の日の菊花蒔絵の手箱かな       那波 里美 (坂 越)

《短歌の部ー出品点数44点》
▽市長賞
 美保岬の燈台スケッチする夫を木陰に待てば風の通り来
                    魚本美智子 (北野中)

▽議長賞
 牛を呼ぶ「オーラオーラ」の祖父の声故郷の家の日の暮れ思ほゆ
                    江見 美里 (有年原)

▽教育委員会賞
 背を丸め電子辞書ひく君のすがた嫌いじゃないよ蝋梅咲けり
                    川崎 郁子 (山手町)

▽文化協会賞
 亡き父に供えて欲しと娘より千日紅の花荷の届く
                    鶴亀佐知子 (尾 崎)

▽奨励賞
 雀二羽木香薔薇の細枝に止まりて揺らし離れて揺らす
                    川崎 徹  (山手町)

 賜りし隣の町の新米の先づひと口の味初々し
                    久保川 操 (加里屋)

 昭和の始めは団扇で夏を過ごしたと孫に話せば無理無理と云う
                    糸雅 紀子 (上仮屋北)

 「おお来たな」畑に立てば亡き夫の声するような大根を播く
                    堀 百合子 (折 方)

 両膝を病みたる妻の入浴を介助す我は八十六歳
                    沼田 覚  (有年牟礼)

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