赤穂民報

山鹿素行の教え「いろは」で親しんで(1月19日)

 江戸時代前期を代表する思想家で赤穂藩とも関わりの深かった山鹿素行(やまが・そこう)が残した言葉から得られる教訓を一冊にまとめた 『山鹿素行の教え いろは四十七言葉と絵』が赤穂山鹿素行研究会(飯尾義明会長)からこのほど刊行された。
 山鹿素行(1622―85)は若くして儒学、甲州流軍学、国学など幅広い教養を修め、31歳から8年間、赤穂藩主・浅野長直に兵法師範として召し抱えられた。赤穂藩を辞した後、著書の内容が朱子学批判と幕府にとがめられ、1666年(寛文6)に赤穂へ配流。赦免されて江戸に戻るまでの約9年間を赤穂で過ごした。多くの大名が素行に学び、その教えは門人らが編さんした『山鹿語類』などの書物や文書に残されている。
 素行について調査研究と顕彰に取り組む同研究会が『山鹿語類』などから47の言葉を抽出。「い」=「一日の用を正し、ただ今日一日の用もちて、極となすべきなり(一日の用事を正しく行い、今日の仕事が最後の勤めだと思って、時間を大切に効果的に生活をすることが大事である)」から順に言葉の頭文字をとって「いろはにほへと…」の順に原文を収録し、現代語訳と「いろはかるた」に見立てた挿絵を添えた。子どもも読みやすいように、すべての漢字にふりがなを付けた。
 収録した言葉は、善悪や礼儀を説いた教えやリーダーとしての心構え、人との接し方や夫婦円満の秘訣など多岐にわたる。「素行先生の言葉には、時代を超えて大切にしなければならない教訓が含まれている」と同研究会。「言葉の意味をじっくりかみしめ、絵に思いをめぐらしつつ、一つでも実行してもらえれば」と呼び掛け、「親子で遊びながら親しんでもらえるように」と、かるたに仕立てる計画もあるという。
 B5判54ページ、3500部発行。1部500円で赤穂大石神社Tel42・2054、赤穂観光協会Tel42・2602で販売する。

(『山鹿素行の教え いろは四十七言葉と絵』を出版した赤穂山鹿素行研究会のみなさん)

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