赤穂民報
関福大リレーコラム・食べる=生きる土台(4)正しい箸使用で心豊かに(1月30日)
4回のシリーズで食べる=生きる土台、いよいよ最後の食育に関する投稿です。
いきなりですが、正しい箸の持ち方・使い方(以降、正しい箸使用と称す)はご存じですか? できていますか? 家族、周りの知人、テレビの中のタレント、正しい箸使用ができているか気になるのは私だけでしょうか?
なぜ正しい箸使用ができなければならないのでしょう。
2013年に「和食」はユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。「和食」は日本人の伝統的な食文化であり、農林水産省が(1)多彩で新鮮な食材とその持ち味の尊重 (2)栄養バランスに優れた健康的な食生活 (3)自然の美しさや季節の移ろいの表現(4)正月などの年中行事との密接なかかわり―と登録申請をしました。(1)(2)(3)(4)は日本の情緒がうかがえる内容ばかりです。その「和食」は「箸」を使って食べます。だからこの情緒豊かな文化を守るためには正しい箸使用で食べることが大切なのです。
情緒豊かな「和食」を食べているシーンを想像してください。どんな箸使いでも味はきっとおいしいでしょう。そして、満足な気持ちにもなります。しかし、料理を作った人は、心を込めて丁寧に作った料理を、美しく味わいながら食べてくれる姿にうれしく思い作り甲斐を感じるものです。食べ方や作法が乱れていては作る側はがっかりです。食事は食べる側と料理を作る側の両者の気持ちをお互いに察して満足することで成立します。なんて日本人は奥ゆかしいのでしょう。
正しい箸使用は、機能的にできています。小さな1粒のご飯粒まで挟むことができたり、お魚の姿焼きでは骨と身を分けるときに箸を開く動作で美しく分けることができます。このように器用に箸を使いこなすには、正しい箸使用でないとできません。
どんな箸使いでも、おいしく食はいただけますが、日本人が食の情緒を感じ、美しい姿で食べることは、人としての格を上げ、クオリティ高い生活を送ることにつながります。また、丁寧に食することは、心が豊かになると私は思っています。
食育は、このような食の大切なことを守り続ける教育です。今後も食育活動に力を注ぎ頑張ります!(教育学部児童教育学科准教授・廣陽子)
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次回は社会福祉学部の岡崎幸友准教授です。お楽しみに。
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