赤穂民報

古代米をピザ生地に加工して県知事賞(1月10日)

 地元食材を用いたすぐれた農林水産加工品を表彰する「ひょうごの農とくらし研究活動コンクール」の審査結果が主催の兵庫県からこのほど発表され、有年牟礼の松田光司さん(54)・靜さん(50)夫妻が発芽玄米を原料に商品開発した「あか穂の実り」が最優秀賞にあたる知事賞に輝いた。松田さんは「地元のみなさんに応援してもらえるような商品に育てたい」と受賞を喜んでいる。
 松田さん夫妻は30年ほど前から専業農家を営み、田畑計17ヘクタールを作付け。平成18年から、その一部で赤紫色の稲穂をつける希少種の栽培を始めた。縄文時代に中国大陸から日本に伝来した“古代米”で、粘りが強く、果皮が柔らかいのが特徴という。
 「お米の持っている力をそのまま活かしたい」と、栄養価が高い玄米の状態で食品加工を試行錯誤。丸2日水に浸して発芽させることによって、鉄分、マグネシウムなどの吸収が格段に向上することがわかった。
 もちに加工して試食すると、玄米にありがちな食べにくさは解消され、香ばしい甘みが口の中に広がった。自信を持って食品メーカーに商品化を持ちかけたが色よい返事はもらえず、松田さんは一念発起。自宅の納屋を工房にリフォームし、夫婦だけで生産をスタートした。
 最初はJA直売所だけでの販売だったが、健康志向の高い消費者が歓迎。平成19年度に原材料のコメが「ひょうご安心ブランド」に認定されたことも追い風になり、三宮そごう内の県産品コーナーなど販売場所は4カ所に増えた。新たにピザ生地とバターケーキも開発。「村おこしに役立てば」との思いを込めて、稲穂の色と郷土の地名を掛け合わせたブランド名を冠した。
 コンクールには上郡農業改良普及センターの勧めで応募。味の良さと豊富な栄養面に加え、幅広く食材を活かそうとする工夫が審査員から高い評価を得た。受賞を機にパッケージデザインを一新。栄えある「兵庫県知事賞受賞」の文字をプリントし、玄米おかき、お好み焼き粉など次なる新商品構想も広げている。
 「玄米には日本の食のあり方を変える可能性がある」と松田さん夫妻。「家庭の食卓に主食として上るような商品を作りたい」と大きな夢を思い描いている。
 商品は「発芽玄米餅」(6個入り500円、4個入り350円)、「発芽玄米ピザ生地」(1枚85グラム150円)、「玄米粉ケーキ」(1個450円)。問合せはTel49・3582(ファクスも同じ)。

(県知事賞に輝いた「あか穂の実り」と生みの親の松田光司さん・靜さん夫妻)

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