赤穂民報

関福大リレーコラム・正しく生きるための第二歩〜義務に適った行為について(2月27日)

 これまでの人生を振り返ったとき、「あのとき、こうしておけばよかった」という後悔をしたことがあると思います。「後悔」は「幸せでありたい」という願いの裏返しです。
 要するに自分が理想としている人生、少しでも幸せな人生を送ることを目指して、私たちは日々の生活を営んでいるといえます。
 しかし、社会の一員である以上、「自分の人生だから」と好き勝手に生活をするのは慎まなければなりません。かといって、他人の顔色ばかりを気にして生活するのも窮屈です。そこで幸せな人生を歩むためには、「どのような生活をすれば良いのか」を考える必要があります。
 「どう生活すべきか」は、「幸せを実現する行為」についての問いです。子どもであれば、周りの大人に助言を求めることで、教えてもらえるかもしれません。しかし、両親と先生の助言が一致するとは限らないように、その答えは人によって様々です。だからといって自分にとって都合の良い意見ばかりを取り入れてしまうと、結局は自分勝手な生活へとつながります。つまり多様な意見に左右されてしまうと、幸せを実現する可能性が低くなるので、選択の余地や、解釈の違いによる混乱を避けることを考えなければなりません。
 私たちの社会には、混乱を避けるために多くのルール(決まり事)が定められていますが、このうち全ての人が守らなければならないのものとして「義務」があります。義務は、守ることで幸せの実現を目指しています。例えば、「約束を守る」という義務には、相手から信頼される/されないに関わりなく、従わなければなりません。だからもし、仮に相手から信頼されなかったとしても、「約束を守る」ことそのことで、幸せを実現していることになります。
 このような考え方を「義務論」と言います。「どう生活すべきか」の答えの一つとして、「義務に従って生活すべきである」ということができます。(社会福祉学部社会福祉学科准教授・岡崎幸友)

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